「♪SHINJO」「♪ハリー」と繰り返し熱唱、福本豊お気に入りの一曲… くるりの『野球』とカープ愛サク裂な歌詞を分析する

 「野球レコード大賞」というのがある。というか、私が勝手に立ち上げたものだ。ただ、同時にアップした記事に書いた「ロック野球殿堂」とは違い、こちらはすでに15年の歴史がある。というのは某野球雑誌で、毎年発表してきたものなのだ。

　昨年は、くるりのアルバム『天才の愛』に収録された、その名も『野球』という曲を大賞とした。というわけで、ここでは、この曲の歌詞を徹底分析してみたい。

　ご興味ある向きは、歌詞サイトなどで確認されたい。「かっ飛ばせよ」「かっこいいぜ」というフレーズの隙間に、実在のプロ野球選手名が、何人も埋め込まれているのだ。

　さらによく見れば、登場する選手について、コーラス（1番、2番……）ごとにある傾向が見られ、とても興味深い。そこで、コーラスごとに選ばれた選手の傾向分析を試みる。そこには重大な発見があるかも――。

　以下、リストの凡例として、カギカッコ内が歌詞内の表現で、それを受けた選手名を右に記した。特別な歌われ方をされた選手は、その歌われ方をカッコ内に記す。では。

パワーヒッターから監督、MLB投手へと

＜1番＞
・「ギータ」：柳田悠岐
・「バース」：ランディ・バース
・「おかわり」：中村剛也
・「辰徳」：原辰徳
・「ゴジラ」：松井秀喜（3回繰り返し）

　まずは1番。登場するのは、柳田悠岐から松井秀喜の5人。ここは名付ければ【一発大砲枠】。原辰徳が入っていることに多少の違和感を持たれる向きもあろうが、382本の本塁打を打っている。要件は十分に満たしているだろう。なお松井秀喜は「♪ゴジラ　ゴジラ　ゴジラ」と3回繰り返される。

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＜2番＞
・「ラミちゃん」：アレックス・ラミレス
・「清」：中畑清
・「智徳」：前田智徳
・「落合」：落合博満
・「秋山」：秋山幸二
・「稲葉」：稲葉篤紀
・「古田」：古田敦也
・「真中」：真中満

　この8名は【監督経験者枠】だろう。稲葉篤紀も侍ジャパン監督として加わった。問題は、前田智徳だけが監督未経験だということだが、現役時代を知る者としてたいそう驚いた、思いのほか快活な解説者ぶりに、リーダーへの素質を見る。「監督候補者枠」に入れたい。

＜3番＞
・「ダルビッシュ」：ダルビッシュ有
・「マー君」：田中将大
・「黒田」：黒田博樹
・「松坂」：松坂大輔
・「大魔神」：佐々木主浩
・「伊良部」：伊良部秀輝
・「野茂さん」：野茂英雄

　一目瞭然【メジャー投手枠】。ダルビッシュに始まり、日本人メジャー進出のパイオニア＝野茂英雄で締まっているのもいい。ただ個人的には、薮田安彦も入れてほしかった。「2006年WBCで、アレックス・ロドリゲスから空振り三振を奪った」という巨大かつ忘れがちな功績によって。

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