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“誤審”で消えたゴールにハリル激怒…「負けて得たもの、ありますよ」カズとドーハの悲劇、4年後の罵声《W杯予選で日本がモメた日》
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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posted2022/01/27 06:00
長谷部誠や三浦知良もW杯予選の修羅場を経験してきた
カズがドーハの悲劇後に語った「負けて得たもの」とは
<名言4>
負けて得たもの……あったとは思います。ひとつひとつ積み上げてきたものが、あのたった一瞬でダメになる。だからといって、何をしなければならないかというと、もう一度ひとつひとつ積み重ねていくしかないんですよ。
(三浦知良/Number625号 2005年4月7日発売)
◇解説◇
キングカズが2度戦ったW杯アジア最終予選は、ドラマティックな出来事ばかりだ。93年のアメリカW杯アジア最終予選は日韓戦で決勝ゴールを決めるなどエースの働きを見せる。
しかし最終戦のイラク戦では、後半ロスタイムに相手のショートコーナーに対応が一瞬遅れ、W杯初出場の夢が寸前で消える同点ゴールを決められる。あまりにも有名な「ドーハの悲劇」である。
この予選を振り返った際、カズは「負けて得たものはあった」と断言する。
「ただ負けてからの立て直しというのは、本当に大変です。いつもいつも。そこから得るものは多いですけど、それを次に勝利という結果に繋げていくのは、本当に大変な作業です」
カズは雪辱を期した97年のフランスW杯アジア最終予選でもジェットコースターのような数カ月を過ごした。
初戦のウズベキスタン戦ではいきなりの4得点を挙げて6-3の勝利に大きく貢献したものの、その後はゴールから見放された。
そしてホームUAE戦がドローに終わり、その時点でアジア第3代表決定戦進出となるグループ2位の自力進出可能性が消え、一部ファンが暴徒化。バスに乗り込んだ日本代表の選手に罵声が飛び、カズがその声のもとに向かおうとしたというのはあまりに有名な話だ。
「負けて得るもの、ありますよ」
日本代表はその後立て直し、ジョホールバルの歓喜へとつなげていく。これまで味わった悔しい敗戦や経験は、現在のチームにも受け継がれているはずである。