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“誤審”で消えたゴールにハリル激怒…「負けて得たもの、ありますよ」カズとドーハの悲劇、4年後の罵声《W杯予選で日本がモメた日》
posted2022/01/27 06:00
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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<名言1>
最悪なのはトライもせずに負けてしまうことだ。私がここ(日本)に来たのは、勝利への意欲をチームに植えつけるためだ。
(ヴァイッド・ハリルホジッチ/Number879号 2015年6月4日発売)
◇解説◇
ロシアW杯アジア予選を指揮官として戦ったハリルホジッチは、大の負けず嫌いを自認していた。本人いわく「以前、試合に負けて病気になったこともある」らしい。そんなハリルホジッチにとっての原点とは、目の前の試合に勝つために全力を尽くすこと。相手がどこであろうと、そのスタンスは変わらなかった。
そのハリルが怒りをあらわにしたのが、アジア最終予選初戦、UAE戦だ。試合は11分に本田圭佑のゴールで先制したものの、9分後に直接FKで追いつかれ、54分にはPKで勝ち越しを許す。どちらも微妙なジャッジだっただけに、会場の埼玉スタジアムはフラストレーションに包まれた。
さらには77分、浅野拓磨が放った左足シュートが完全にゴールラインを割ったかに見えたにもかかわらず、得点は認められず。1-2で日本は黒星スタートとなった。この判定についてハリルは審判団に詰め寄るなど、怒りをあらわにした。
その一方で、試合後にはPKのシーンについて、このようにも語っている。
「3対1の状況でボールを奪いに行っていた。3対1であのボールを外に出せないのが、われわれの実力だ」
日本の選手はUAEのアルハマディを3人で囲む数的優位の状況を作っていた。そこでボールを奪いきれなかったことは、チームとしての力が足りていなかった部分だった。
長谷部誠が訴えた「W杯に対する飢え」
<名言2>
それぞれの選手がW杯に対する飢えを持つ重要性を感じます。その飢えをもう一度、示す必要がある気がしますね。
(長谷部誠/Number923号 2017年3月16日発売)
◇解説◇
長年にわたって日本代表キャプテンを務めた長谷部。ロシアW杯アジア最終予選を戦っていたタイミングでの発言だ。
「2014年のW杯の前には、多くの選手が『W杯で優勝したい』というような話をしていました」と、日本代表のキャプテンは振り返り、当時の代表についても「そういう気持ちをもっと表に出す必要があると思う」と指摘する。
「経験のある選手たちが現状で満足しているのか、もっと上にいこうとしているのか、その差が大事で。正直、厳しいことをいうと、経験のある選手たちに物足りなさは感じています」