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“誤審”で消えたゴールにハリル激怒…「負けて得たもの、ありますよ」カズとドーハの悲劇、4年後の罵声《W杯予選で日本がモメた日》
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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posted2022/01/27 06:00
長谷部誠や三浦知良もW杯予選の修羅場を経験してきた
このように自分を含めたベテラン勢に発憤を促した。
「若い選手たちが引っ張られたり、追い越そうとする気持ちが出てきて、チームは成長するわけですからね」
ハリルホジッチ体制の日本代表はその後、川島永嗣や長友佑都、吉田麻也らの経験値のあるメンバーに加えて、酒井宏樹、昌子源、大迫勇也のロンドン五輪世代、そして井手口陽介らの新戦力が台頭。ホームのオーストラリア戦で勝利してW杯切符をつかみ取った。
中田、名波を潰せば日本の攻撃は寸断できる
<名言3>
名波、中田の二人を潰せば、日本の攻撃は寸断できる。
(チャ・ブンクン/Number429号 1997年10月9日発売)
◇解説◇
「コーチの仕事を始めて30年が経ちますが、これだけの大観衆から応援を受けたのは初めてで感激しています。できましたら、勝って一緒に喜びたかったのですが、残念な結果に終わってしまいました」
1997年9月28日、フランスW杯アジア最終予選、日本のホーム国立競技場で行われた日韓戦後の加茂周監督のコメントである。
試合は67分、山口素弘の芸術的ループシュートが決まって日本が先制した。
全体を通じても押し気味で進めており、日本はついにW杯予選で「韓国の壁」を突き破る瞬間がきた。そう思ったサッカーファンは数多かったはずだ。
しかし、敵将チャ・ブンクンは冷静だった。試合前から中盤のキーマンである名波浩と中田英寿を徹底的に“消す”ことを命じるとともに、試合中もこのようなやり取りをしていたという。
「1点リードされた時も私は落ち着いていました。ホン・ミョンボが『前に出てもいいですか』と尋ねてきたが、私はなだめました。落ち着きなさい。いつもの通りやれば逆転できるからと」
果たして、展開は一変する。秋田豊投入で逃げ切りに入った日本に対して、韓国は84分、87分と立て続けにゴールを奪い、スコアをひっくり返したのだ。
加茂監督はこうも振り返っている。
「ラスト10分、選手の足が止まってしまい、組織が乱れてしまいました。しかしまだ終わったわけではないので……」
このショッキングな敗戦によって、加茂監督はサッカーファンだけでなく世間からも大きなバッシングを受けることになった。そして続くカザフスタン戦で終了間際に追いつかれてドローに終わり、「加茂監督更迭」の引き金は引かれた。