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箱根駅伝“伝説の1区記録”が15年ぶりに更新…「自分で行くとは決めてはいなかった」中大・吉居大和はなぜ26秒も更新できたのか 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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posted2022/01/05 17:35

箱根駅伝“伝説の1区記録”が15年ぶりに更新…「自分で行くとは決めてはいなかった」中大・吉居大和はなぜ26秒も更新できたのか<Number Web> photograph by JMPA

箱根駅伝最古の記録となっていた1区を、15年ぶりに26秒も更新した中大の吉居大和

 佐藤の前に区間記録を樹立した早大・渡辺康幸は2年時に1時間1分13秒(94年)をマーク。大学4年時にイエテボリ世界選手権10000mに出場すると、社会人1年目にはアトランタ五輪の10000m代表にもなっている。佐藤も大学卒業後、ロンドン五輪の5000mと10000mに出場するなど、世界と戦った。渡辺と佐藤が2年時にマークした箱根駅伝1区の区間新記録を吉居も2年時にクリア。世界への“挑戦権”を得たと言ってもいいだろう。

「区間記録は意識していたところがあったので、それを達成することができてうれしいです。今年は5000mでオレゴン世界選手権の参加標準記録である13分13秒50をターゲットに頑張っていきたいと思います」

絶好のコンディションと厚底シューズの恩恵

 今大会は復路もほとんど風がなく、素晴らしいコンディションになった。9区で青学大・中村唯翔(3年)が区間記録を46秒も短縮する1時間7分15秒を叩き出すと、10区中倉啓敦(3年)も区間記録を50秒も塗り替える1時間7分50秒をマーク。箱根駅伝の区間記録はすべてナイキの厚底シューズに塗り替えられたことになる。

 シューズの進化は1kmあたり2~3秒のアドバンテージがあると考えられている。そういう意味でいうと吉居は佐藤のパフォーマンスを超えたことにはならないかもしれない。しかし、吉居が今後、世界大会に参戦していくようになれば、今回の区間記録も“伝説”になるだろう。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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