- #1
- #2
プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
17歳でプロレスキャリアはもう5年…スターダムの未来を担う琉悪夏が明かした“同い年ライバル”との「エモい防衛戦」への思い
posted2021/12/26 17:02
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「小さいときはめっちゃ運動嫌いだったんです。でも、なぜかプロレスは楽しいですね(笑)」
琉悪夏(るあか)はスターダムの悪の軍団・大江戸隊に所属する大型ファイターだ。年齢は17歳ながら、もうキャリアは5年になる。
「小学5年生の終わりからプロレスラーになっちゃったんで、中学で部活はやっていない。本当は家庭科部とか吹奏楽部とかに入りたかったんだよね。これは自慢なんだけど、私、フルートとトロンボーンが吹けるんだよ!」
トロンボーンは納得できたが、フルートは意外だった。トロンボーンは琉悪夏の体型にもぴったりだが、繊細な印象のフルートを吹いている姿はなかなか想像できない。
「練習行ってないじゃない!」母に激怒された日
「小学生のころから身長は一番大きかったかな。でも、3年生くらいから横幅がでかくなりだして……。これは一番じゃなかったけど(笑)。とにかく運動が嫌い。走るのもイヤ。しかも学校の近くにおばあちゃん家があって、ひいおばあちゃんもいて、帰りに寄ると『これ食べろ、これも食べろ』って色々出してくれたから、体重は無限に増えていったかな(笑)」
ある意味で、プロレスラーになるための“英才教育”を施されていたと言えなくもない。そんな琉悪夏は、どういった経緯でプロレスと出会ったのだろうか。
「もともと家族がプロレス好きで、会場に見に行って。おばあちゃんがスターダムを観戦してチェキとかも撮っていた。私も5年生のときに何回か一緒に行って、そうしたら風香さん(元スターダムGM)がいて『プロレスしなよ!』って言われて。さっそく練習に行って、履歴書とかもなんもなくて、気づいたら“今”って感じかな!」
琉悪夏は年齢相応の天真爛漫な笑顔を浮かべながら、じつに楽しそうに話をする。
「私、もともと大江戸隊が好きで、(安川)惡斗さんが好きだった。今、私が使っている技でコンプリート・ショット(フェイス・バスターの一種)ってわかります? 前に倒すヤツ。それも惡斗さんが使っていた技なんで」
憧れのレスラーの名前をあげて目を輝かせる琉悪夏だが、以前は練習をサボることも少なくなかったという。
「ただフラフラ歩き回って、練習が終わったくらいの時間に家に帰るということを繰り返していた。練習が嫌い。眠いし。だるいし。最低だよね(笑)。ただ、風香さんがブログに載せた写真に私が写っていないのが、まさかのお母さんにバレて、『練習行ってないじゃない!』って激怒されたよね(笑)」