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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
クリロナも「全く同じように」プレッシングを… “欧州最新トレンド戦術の教授”ラングニックが語るマンU改革案
text by
アレクシス・メヌーゲAlexis Menuge
photograph byGetty Images
posted2021/12/23 11:02
クリスティアーノ・ロナウドとコミュニケーションを取るラングニック監督
「私にとって基本中の基本、プレッシングとゲーゲンプレッシングのトレーニングを行っている。ピッチ上でどんなコースを描いて走るかがとても大事だ。
私のルールと規律を課す構造的な練習を、歓迎しない選手はどのクラブでも常にいるものだよ。しかし、マンチェスター・ユナイテッドでもうまく処理できると確信している。
なぜならこのチームには素晴らしい選手がたくさんいるからだ。たとえばジェイドン・サンチョ。ドイツでプレーした経験があるので、私の指示が意味するところをすぐに理解できるのは利点だ。マーカス・ラッシュフォードは、とてつもないポテンシャルを秘めている。全員にとって、素晴らしい冒険になるだろう」
クリスティアーノもまったく同じようになる
――クリスティアーノ・ロナウドもプレッシングの局面でも年齢を感じさせない走りを見せていますね。
「過去にハノーファーやシャルケで、個性が強い選手と向き合ってきた経験が生きていると思う。たとえばヤン・シマーク(元チェコ代表)。プレミアリーグのファンにとっては馴染みがない選手かもしれないが、私ほど彼とうまくつきあった監督は他にいないだろう。
難しいとされるタイプの選手とも、私はコミュニケーションを取り、手を取り合い、彼らを同じ道へ乗せてきた。
私は個性が強いタイプの選手を、ストレスを与える存在ではなく、刺激的で魅力的なものとして見ている。クリスティアーノもまったく同じようになると確信している」
――RBライプツィヒでは、ボールロストから5秒未満で奪い返し、そこから8秒以内にシュートを打つことをコンセプトにしていましたね。ユナイテッドでも同じコンセプトですか?
「まさに挑戦しているところだ。ただし、選手だけでなく、コーチングスタッフにも時間が必要だ。若い選手たちがこの方針に共感し、熱心に取り組んでくれていると感じている」
――あなたはライプツィヒ時代に4-2-2-2を愛用し、今のところユナイテッドでも同システムを採用していますね。このシステムの利点は?
「このシステムの利点は、陣形をコンパクトにし、狭い距離を保ちやすいことだ。相手に最小限のスペースしか与えない。
攻撃面では外側からも相手ペナルティエリアの中へ選手が入って行き、中央に人数をかける。それによって相手を混乱に陥れられる」
具体的な数字を言うのは時期尚早。しかし……
――ダブルボランチにしている理由はありますか?
「ダブルボランチにすると、両サイドバックが高く上がれるだけでなく、2列目のMFもより攻撃的にプレーできるからだ。私は4-2-2-2の2列目にいるMFを『2人の10番』と呼んでいる。
また、トップ下のエリアを、私は『プロブレムゾーン』と呼んでいる。かつて古典的な10番がプレーしていたエリアだが、現代サッカーでは守備側がそこをカバーしきれていないことが多い。
そこで2列目の左右のMFを真ん中へ入って行かせる。『2人の10番』でプレーする選手には、ゲームメイク力、スピード、持久力、シュートのうまさを求めている」
――このインタビューの時点で、あなたはリーグ戦2試合を率いて2連勝しました(その後、新型コロナ陽性者が発生したため2試合が延期)。すでに首位通過が決まっていたCLのグループステージ最終節では、メンバーを総入れ替えして臨み、引き分けましたね。選手たちはあなたが求めていることの何パーセントを実行できていますか?