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「M-1」ラストイヤー(結成15年)のハライチはここで誕生した…埼玉県の“ナゾのM-1駅”「原市(ハライチ)駅」には何がある?
posted2021/12/19 11:00
text by
鼠入昌史Masashi Soiri
photograph by
Masashi Soiri
もはやすっかり師走の風物詩になった三山ひろしさんのけん玉ギネスチャレンジ……ではなくて、M-1グランプリ。今年も楽しみに待っている人は多いことだろう。単純にネタに笑ったり、人生をかけてその場に立つ若手芸人たちの姿にシンパシーを感じたり、好きな芸人を応援したり。楽しみ方は人それぞれである。
そこで、である。2021年のM-1グランプリ。いろいろ気になる芸人はいるけれど、鉄道ファンならば誰を応援するかは決まっているのではないか、と思っている。惜しくも準決勝で敗れてしまい、敗者復活にかけるあのコンビ。すでにテレビなど各方面でご活躍だが、今年がM-1グランプリ・ラストイヤー(=結成15年)となるハライチだ。
なぜ鉄道ファンがハライチを応援するの?との疑問もごもっとも。でも答えはシンプルだ。幼稚園からの幼なじみ同士で結成したハライチさん、コンビ名の由来はふるさとの埼玉県上尾市原市(はらいち)。そしてこの原市という町の玄関口は原市駅という。つまり地名・駅名がコンビ名となって、そこからスターへと躍進したという、鉄道ファンならなんとなく応援したくなるようなコンビなのである。
こうなってくると、もう原市駅がどんな駅なのかが気になってくるのが人の性。埼玉県上尾市ならば東京からもそれほど遠くない。人気芸人のコンビ名の由来になった“ナゾの駅”、てなワケで、原市駅に向かうことにした(ここから先、ハライチさんのお話はでてきませんのであしからず……)。
大宮駅から10分…ニューシャトルの「原市駅」には何がある?
原市駅があるのはニューシャトルという路線だ。ニューシャトルなんて知らないよ、という方もいるかもしれないが、大宮駅から鉄道博物館に向かうときに乗る電車、といえば少しわかっていただけるのではなかろうか。
鉄道博物館の最寄り駅(というか鉄道博物館駅)は大宮駅のひとつお隣。原市駅はもっと先にあるので、鉄道博物館を横目に素通りしてしばらくニューシャトルの旅を続ける。
ニューシャトルは一風変わった乗り物で、コンクリート上の軌道の上をレールと車輪ではなくゴムタイヤで走る。ワンマン運転で最先端感のある乗り物だ。一般には新交通システムなどと呼ばれていて、東京のゆりかもめや日暮里・舎人ライナーなども同じタイプ。そんなニューシャトルに大宮駅から10分ほど揺られれば原市駅に着く。