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バルサには“疲労回復用のピザ”が…選手寿命を伸ばしパフォーマンスを最大化するフットボーラーのための《最高の食事》とは
text by
フランス・フットボール誌France Football
photograph byL’Équipe
posted2021/11/23 17:00
『フランス・フットボール』誌面は、フランスの雑誌らしくエスプリの効いたイラストの数々で「サッカー選手と食事」を表現した
パフォーマンスへの影響の他に、食事には選手をリラックスさせる効果もある。彼らが調子をあげるのは、的確なアドバイスを受けてストレスを感じることなく食事ができるのもひとつの理由である。リールにとっては、選手の環境への適応は大きな問題だった。
「コロナ以前は、それぞれの国の料理を用意して、選手がお互いの文化を理解する集まりを開催していた。選手たちの距離が縮まり、シェフも彼らの好みを身近で見て知ることができた」とカミーユ・ランボーは語る。彼らの好みがわかれば、心理面でも栄養面でも適切にサポートできる。リチャード・アリソンが語る。
「エクトル・ベジェリン(スペイン代表。レアル・ベティス所属)は一日にして菜食主義者になったわけではない。何年もかけて、肉とチーズ中心のスペインの伝統的料理から徐々に移行していった。その過程で膨大なデータが集まった。さまざまな点で彼は進歩を遂げた」
疲労回復のためのバルサ特製ピザ
「脂肪分の多いピザを食べると消化に問題が起こる。それが週1回ならまだいいが、習慣化すると深刻な問題だ」とファンホセ・モリラスは述べる。
ピザは常に論議の対象となる料理である。イアン・ロロは次のように語る。
「私たちはこの《無軌道な食材》と見なされているものを自分たちのアドバンテージにしようとトライしている。バルサには疲労回復のためのピザがある」
リチャード・アリソンが続ける。
「ダイエットのための食材とは見なされていないピザの大いなるパラドクスだ。パンとチーズ、トマトだけならいい。しかしシェフが栄養とカロリーがふんだんの自家製ピザを作るとなると別だ」
エレーヌ・ドゥフランスが再び語る。
「シーズンは長く厳しい。同じものばかりを食べ続けるのは身体にいいとはいえない。選手は身体の欲求を満たし、健康状態を最適に保つために何が必要かをよく知っておくべきだ。免疫や消化器官、ホルモン、メタボリック、細胞への影響を考慮しながら」