投手で圧倒的なパフォーマンスを見せているのが大阪桐蔭高のサウスポー、前田悠伍だ。

　秋の大阪大会では最大のライバルである履正社との準決勝で先発を任されると、3失点完投勝利をマーク。続く近畿大会では背番号14ながらチームトップの3試合、17イニングを投げて自責点0と圧巻のピッチングで新エース誕生を強く印象付けた。

　179cm、75kgとまだ細身でストレートのアベレージは130キロ台後半だが、バランスの良いフォームで球持ちが長く、数字以上に打者の手元で勢いが感じられる。高校生の本格派サウスポーにありがちな粗っぽいところがなく、楽に腕を振ってコーナーにしっかり投げ分けるコントロールもとても1年生とは思えない。

　このまま順調に体が大きくなって、スピードがコンスタントに140キロ台中盤をマークするようになれば、さらに攻略困難な存在となるだろう。

大阪桐蔭高・前田悠伍（1年・投手）　©PPAB-labo

　明治神宮大会の出場を逃した選手にも185cmの長身で、すでに140キロを超えるスピードを誇るハッブス大起（東北高）、夏の甲子園で劇的な逆転サヨナラスリーランを放った緒方漣（横浜高・遊撃手）、秋の関東大会初戦で5打数5安打の固め打ちを見せた百崎蒼生（東海大相模高・遊撃手）など楽しみな1年生は多い。

　早くも“麟太郎世代”という声も聞こえてくるが、彼らの高校野球、野球人生はまだスタートしたばかりであるだけに、来春以降もハイレベルな世代ナンバーワン争いが繰り広げられることを期待したい。

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