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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「ブンデスで高いインテンシティを」「ハードに働くだけでなく」 原口元気30歳が明かす《インサイドハーフで覚醒》の要因とは
text by
原口元気Genki Haraguchi
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2021/11/10 17:01
アシスト数など、原口元気は今季のブンデス日本人選手で最も結果を残している選手と言っていい
敵として対峙する鎌田も「ウニオンは良いチームですね」
先日、同じブンデスリーガでプレーする(鎌田)大地と話していたら、「ウニオンは良いチームですね」と言われた。確かにそうだなと僕も感じる。ウニオンは全員が忠誠をつくしてチームのために走ることを受け入れつつ、そこに、各自の強みを足しているから良い成績を残している。
中盤のポジションの日本人選手がヨーロッパで活躍するにはどうしたら良いのか?
そこで、「日本人MFはまず、チームのために走ることを受け入れなくてはいけない。その上で自分の強みをチームに還元していくのが良いのではないか」という話になりました。
「チームのために走る」という表現だけに目を向けると、簡単なことであるように感じるかもしれません。でも簡単ではない。どんな相手との試合でも、フィジカル的にも戦術的にも準備できていなければ、しっかり走ることなどできない。大地に言われたことで、「チームの力になりたい」という僕の忠誠心のようなものは、強みでもあるのかなと気づかされた部分もありました。
もしも、若い頃に「チームのために走れ」と頭ごなしに言われても、なかなか受け入れられなかったと思います。ただ、様々な経験をしていくなかで、それを高いレベルでこなした上で、いかにして違いを生み出せるかを考えられるようになってきたと感じています。
インサイドハーフをやる上で、参考になる遠藤航のプレー
サイドでプレーしていたときと、インサイドハーフを本格的にやるようになってからの一番の違いは、ビルドアップにかかわる機会が増えたこと。相手のプレッシャーを受けながら、いかにしてボールを受け、味方につないでいくか。それを考える上で、(遠藤)航のプレーは参考になります。
実際に、彼のプレー映像を見ることもあります。個人的に感じるのは、厳しいところでボールをもらって失う時もあるけど、それでも怖がらずに受け続けることで彼は良さを出している。後方からのボールの勢いを殺さずに、上手く前に運んでいくプレーもあるので。
最近の航はシュツットガルトではインサイドハーフで出場することも多いので、ボールの奪い方も参考になりますね。ボールを奪えるタイミングはどこか、相手の体の向きはどうなっているのか、などを彼はしっかり見ていますよね。むやみに奪いにいっているわけではなく、ボールを奪いに行くときと、行かないときとを、判断してるなと感じます。
インサイドハーフの面白さは攻守で多くのプレーに絡むこと。ただ、ボランチよりも攻撃の自由度は高いですよね。