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《エフフォーリアとGI2勝》横山武史22歳のスゴさとは?「どんな馬でも乗りこなして、能力を引き出す騎手になる」 父・典弘との関係性は
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/11/07 11:02
現在22歳ながら今年GI3勝をあげている横山武史騎手
皐月賞直後のインタビューで「プレッシャーがすごかった」と話していたが、騎手という職業について回るプレッシャーをどのように受け止め、対処しているのか。
「いつも緊張感を持って乗っていますが、皐月賞のとき感じていたのは、勝負になるという自信があったからこそのプレッシャーでした。ただ、それも、馬に乗るまでのことで、パドックで跨ってしまえば消えてしまいました。今はまだプレッシャーを感じていません。人間が力んだってしょうがないですから。ダービーが近づいてきたら、自然と緊張感も高まるのだと思います」
「エフフォーリアが一番強いと思って挑戦します」
鹿戸も、これだけの馬を預かっているのだからピリピリしているかと思いきや、騎手時代から兄貴分として後輩に慕われたままの、やわらかな笑みを浮かべている。
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「実は、6年くらい前から大きな犬を飼いはじめて、毎朝、調教前に散歩をしているんです。3時ごろから1時間ほど歩きながら調教メニューを反芻したり、来週の追い切りには騎手を乗せたほうがいいのか考えたりしてブツブツ言っています(笑)。それによって頭が整理できますし、緊張もほぐれてリラックスできるんです」
管理馬のダービー参戦は、昨年17着だったウインカーネリアンにつづく2頭目だ。
「これまでどおり、放牧先であるノーザンファーム天栄の木實谷雄太場長らと連携を取りながら進めていきます。一番大事なのは体調維持。普段どおりコツコツやるだけです。ダービーは強い馬じゃないと勝てないレースです。エフフォーリアが一番強いと思って挑戦します。この馬にとって東京が走りやすい舞台であることは間違いないし、折り合い面にも進境が見られるので、2400mも問題ないと思います。楽しみです。近づくにつれてワクワクします」