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ビジャレアル所属の11歳日本人に聞いた“日本とスペインの違いって何?”…門戸を開くラ・リーガの本気度
text by
栗田シメイShimei Kurita
photograph byLaLiga
posted2021/10/31 11:01
ビジャレアルに所属する高橋琉以(るい/11歳)君と高田想(たかた・そう/10歳)君。現地の学校に通いながら、スペインサッカーの教育のもと技を磨いている
「多くの日本人選手がラ・リーガでプレーしたいと話します。ただスペインに限れば、他の欧州リーグとは異なり、これまでのやり方では日本人の活躍が難しいというのは紛れもない事実でしょう。そして、その理由は単純な技術ではないことに問題の根深さがある。Jリーグで活躍する=ラ・リーガでやれる、とならないことはリーガのどのクラブも良く理解している。それなら選手に新しい選択肢を作り、全く異なるアプローチで別の道を示したい。シンプルにそれだけなんです」
ラ・リーガのギシェルモ氏は今後の長期的な展望をこう明かした。
「今回の契約はリーガの価値観とマッチして、非常に堅実な“草の根プロジェクト”だと私たちは考えています。価値観がおなじものを共有する時、物事がうまくいくのは簡単ですから。大切なのは堅実にプロセスを踏み、時間をかけて物事を考えることです。少しずつ道が開けてきた今、30年先にはリーガで活躍する日本人がたくさん出てくると感じていますし、リーガとしてもそのサポートをしていきたい」
レアル・マドリーやバルセロナといったビッグクラブは例外として、これまでラ・リーガや各クラブは育成手法に絶対の自信を持っていながら、それをアウトプットする機会が限られていた。スペインのノウハウで外国人選手を育て上げ、活躍させる。つまり“ラ・リーガ産の育成”をアピールすること。それはリーグ、クラブの価値向上だけでなく、その国々でのブランディングにも繋がっていく。
その第一段階がこのプロジェクトへの着手だったというわけだ。
日本で生まれ、スペインで育つ――。第二、第三の久保建英がここから生まれる未来も、決して夢物語ではない。