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松坂大輔41歳、“栄光のち苦悩”での引退 「ヒジに謝りました。ここまでよく投げてきてくれたねって」と話した日 

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photograph byKoji Asakura

posted2021/10/19 18:10

松坂大輔41歳、“栄光のち苦悩”での引退 「ヒジに謝りました。ここまでよく投げてきてくれたねって」と話した日<Number Web> photograph by Koji Asakura

2002年の松坂大輔。高校野球、プロ野球、侍ジャパン、MLBの舞台すべてで栄光に輝いた唯一無二のエースである

中日で見せた大投手の意地と、引退試合の投球

 その当時、すでに引退説が囁かれていた松坂だったが、大投手としての意地を見せた。

 4月5日の巨人戦では敗戦投手にこそなったものの、5回3失点と先発投手としての最低限の仕事を果たす。その後は肉体のコンディションを見ながら中10日~2週間間隔での登板となり、3戦目のDeNA戦では8四死球ながら6回1失点でしのぎ切り、NPBでは12年ぶりとなる勝利を挙げた。

 5月30日のオリックス戦では6回9奪三振無失点の好投、6月8日のソフトバンク戦でも5回6奪三振1失点で3勝目を挙げるなどの奮投もあって、オールスターゲームのセ先発投手で得票数トップに。シーズン最終成績は6勝4敗、防御率3.74で、カムバック賞を手にした。

 しかし翌2019年は2試合登板で5.1回を投げたものの10失点、防御率16.88。自由契約となり、そのオフに古巣西武へ。引退試合までに実戦登板したのは2020年6月7日の中日との練習試合での1イニングだけだったことが、松坂の満身創痍ぶりを物語っていた。

 迎えた2021年10月19日、松坂大輔は若き日の代名詞であるエースナンバー「18」を背負って、メットライフドームのマウンドに戻ってきた。引退試合の対戦相手は、横浜高校の後輩である巧打者・近藤健介。おなじみのフォームから投じた5球はすべて110km台。ストライクが入ったのは2球目だけだった。

 それでも松坂は一礼し、西口文也投手コーチらと話しながら笑顔を浮かべてマウンドを去った。どのカテゴリでも味わった栄光、そして苦しみ抜いた経験を次世代の野球人に伝えてほしいと願うばかりだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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