4巡目は三浦銀二（法大）。バランス感覚に優れたピッチャーであり、法大では1年の春からマウンドに上がり、先発にリリーバーとあらゆるポジションをこなしてきた。

「福岡大大濠高時代から、順調に大学で4年間を過ごし成長してくれた印象です。彼の場合は先発候補ではあるのですが、素材の良さからチーム状況によってはリリーバーという選択肢も考えられ、初年度からの活躍ができると評価しています。きっとチームにとって心強い存在になってくれるはずです」

　5巡目は右のサイドスローである深沢鳳介（専大松戸高）。個性に加え器用さも併せ持つ、非常に魅力的な素材である。

「甲子園を見て感じたのですが、彼もまた“ピッチングのできる”印象の強い投手ですね」

　状況を把握し試合を作る、クレバーな投球ができるということだ。

「しっかり今後、トレーニングを積んで体ができてくれば球速の上積みはまちがいないでしょうし、そうすれば先発としてのラインに乗っていけるピッチャーだと考えています」

　そして6巡目は梶原昂希（神奈川大）。豪快なフルスイングと広角に打てるバッティングが持ち味の左のスラッガーだ。過去、宮﨑敏郎や佐野恵太など下位指名ながら大きく開花した選手を育ててきたDeNAだけに楽しみな存在である。

「たしかにパンチ力という部分で非常にいいものがあるのですが、わたしが注目したのはあのサイズ（身長189センチ）にも関わらずスピードがあることです。とくにスリーベースを打ったときのランニングスピードは非常に素晴らしいと感じましたし、長打力もあるので将来的には主軸も担える外野手だと思っています」

スペシャリストに絞った育成指名

　最後は育成の指名となるが、今回は外野手2名、捕手1名の交渉権を獲得。彼らの選出の理由は、進藤いわく「スペシャリストを求めて」のことだ。

　育成1巡目の村川凪（徳島インディゴソックス）はリーグで40盗塁をしたスピードスターであり、また3巡目の大橋武尊（茨城アストロプラネッツ）も28盗塁に加え守備力にも長けた外野手である。2巡目の東出直也（小松大谷高）は抜群の肩を持つキャッチャーである。

「村川選手と大橋選手はトップクラスの脚力を持つ選手で、チームに求められる必要な部分なので指名をしました。また東出選手は強肩も魅力なのですが、甲子園では非常に粘りのあるしぶといバッティングをしていたのが印象的でした」

【次ページ】　スカウトは何を重視するのか