「100％戦えると思ったら……」

　朗報は、さらに続いた。ウッズに近い関係者から聞き出した話として、米ピープル誌が、これまでのウッズの様子や彼の言葉を初めて明かした。

「（事故後の）最初の数カ月間は、ただ足を高く上げて座っているのが精一杯。右足の痛みは激しく、腫れもひどかった」

　これまでウッズは膝や腰の手術を経験し、手術後の痛みにも耐え、奇跡のような復活を何度も見せてきた。だが、今回の痛みは「そのどれよりも激しかった」という。

「最近でも痛みはある。でも今は、最初のころとは比較にならないぐらい痛みが軽くなっていて、ウッズ自身、自分の肉体が強く、健康になってきたと感じている。何より彼は未来を楽観視できるようになった。自分は再びツアーに戻れるのだと思えるようになっている」

　すでにウッズの頭の中には具体的な復帰時期も描かれているという。それは、ファンにとって何よりの朗報だ。

　ただし、ウッズは、こうも言っている。

「大丈夫だと思えるまでは復帰しない。100％戦えると思ったら、カムバックする。それが、今の僕の一番のゴールだ」

　一枚の写真が世界を沸かせた背景には、ウッズの心と体の着実な回復があった。そして何より、心と体に活力が戻ったからこそ、写真の中のウッズからは「元気なオーラ」が漂っていたのだと思う。

　この写真が世界を駆け巡ってから数日後、今度はチャーリーくんのジュニア大会会場でウッズがゆっくりと歩いている姿を捉えた動画もソーシャルメディアに出回った。

　わずか16秒の動画は、かなり遠くからひっそりと撮影されたもののようで、ウッズは画面の左端に小さく写されていた。動画からは、ウッズがフリーハンドの状態で、ゆっくり一歩一歩、歩を進めている様子が見て取れた。

「自分の足で歩く」というゴールは、もはやクリアされた。そして今度は「戦えると確信してカムバックする」ことへ、ゴールは大きく前進している。

　これまでも絶体絶命の窮地から何度も這い上がってきたウッズ。だからこそ、今回も再び奇跡のカムバックを果たす日がきっと到来するのだと、ようやく思えるようになった。

　そう信じさせてくれるほど、ウッズが元気になってきた。