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【ドラフト阪神1位】森木大智(高知高)、プロ野球スカウトの本音は?「早熟だけで中学150キロは投げられない」
posted2021/10/11 18:15
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
KYODO
〈“流しのブルペンキャッチャー”として全国各地、数多くのアマチュア選手を取材、実際にボールを受けてきた筆者。その筆者が「ドラフト中間予想」でピッチャー部門1位に選んだ森木大智(高知高)。その実力をプロ野球スカウトに聞いた(野手1位編に続く)。〉
この春、4月24日、私は大分にいた。
高校野球・九州大会が行われている別大興産スタジアムで、九州6県から勝ち上がったチームの戦いぶりを追いかけながら、一方で気になっていたのは、同じ時期に香川のレクザムボールパーク丸亀で行われていた高校野球の「四国大会」のほうだった。
高知高校のエース・森木大智。これまでの森木は、四国大会に出場してはよくわからない負け方をして、そのために「センバツ」を2度も逸していた。
軟球「150キロ」の逸材に足りなかったもの
高知中学の3年生で、春・夏連続で全国制覇し、軟球で「150キロ」といういまだに「そんなこと、絶対にありえない」と言いきる人がいるほどのトリプル快挙を皮切りに、スピード、体格、パワー、バネ、変化球、制球力に勝負根性…およそ投手に必要な「財産」をあらかた備えながら、ただ1つまだ手にしていない能力が「勝ち運」ではなかったろうか。
森木投手については、すでに実戦でのピッチングも何度か見ていたし、昨年秋、11月には高知高グラウンドのブルペンで、その全力投球をこの手で受けさせてもらっていた。
ひと冬越えて、さらにパワーアップしていることだろうが、想像がつくつもりだった。また見たいな……とだいぶ迷ったが、今回は四国はあきらめて、初めて見る選手が何人も出場する大分のほうに来ていたのだ。
その日、森木投手は5回から5イニングのリリーフでわずか1点リードの緊迫の投球を無失点に抑えて6三振を奪った……と聞いてホッとした。
実は、またやるんじゃないかと心配もしていた。今年の鳴門高は強打で鳴らすチームだし、公式戦に強いことで定評があった。