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順大2年生エース三浦龍司に聞く“駅伝への率直な想い” 苦手だけど「箱根に賭ける熱意では絶対に負けていない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTsutomu Kishimoto
posted2021/10/09 11:03
昨季1区を任された箱根駅伝を、順大エース三浦龍司は「悔しかった」と振り返った
「箱根では昨季のリベンジ、再チャレンジの意味を込めて、1区でいきたいです」
三浦の願い通りに1区になれば、トラックで培った加速力とスピードを見せてくれそうだ。だが、各大学のエースが集まる2区でもその姿を見てみたい。田澤廉(駒澤大)やヴィンセント(東京国際大)との勝負が実現すればさらにレースが盛り上がるだろう。
「いやーそれはないです(苦笑)。田澤さんとヴィンセントは、ロードでは頭一つ抜けて別格な存在だと思っているので、そこに挑戦する自信はちょっとないですね」
総合優勝へ「(五強にも)熱意では絶対に負けていない」
今季、順大の総合力は非常に高い。昨季の箱根で往路を走った5人の選手がいずれも残っている。しかも3年生の層が分厚く、夏合宿では1年生が急激な成長を見せている。
「昨季の箱根が終わった後、監督から今回の経験と選手を来年に残せるのはチームとして非常に大きいという話がありました。順位は満足いくものではなかったですが、シード権獲得という最低限のラインを越えることができましたし、来年につながるレースができたのはチームにとっても選手にとっても大きな収穫でした。今季は、昨季以上にチーム状態がいいです。3年生の層が非常に厚くなっていますし、特殊区間も充実しています。夏合宿を経て、良い仕上がりになっている」
もちろん三浦が目指す箱根駅伝での結果は、総合優勝だ。そのためには、優勝候補筆頭の駒澤大学、強豪校の青山学院大学、東洋大学、東海大学、早稲田大学の五強を倒すことが必要になる。
「五強を崩すのは、一筋縄ではいかないと思います。特に駒大、青学大はワンシーズンを通して箱根に合わせてくるチームだと思うので、強いのは間違いありません。順大は、そういうチームとはスタイルが違いますが、箱根に賭ける熱意では絶対に負けていない。必ず自分たちにもチャンスはあると思っています」
順大が五強に食い込めば、箱根はさらに盛り上がるだろう。三浦は、その火付け役として「3000m障害」と「ハーフ」という二刀流で挑戦する。
今年の駅伝は、誰も三浦のうしろにつけない圧巻の走りを見せてくれるだろう。
(全3回の2回目/#3に続く)