プロ野球亭日乗BACK NUMBER
巨人・中田翔がハマった「マスコミ球団」ならではの“沼”とは? 清原和博も最初は「全然、気にはなりません」と語っていたが…
posted2021/10/01 17:06
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
紆余曲折の末の電撃トレードで日本ハムから巨人に移籍した中田翔内野手が、移籍後2度目のファーム落ちとなった。
8月20日のトレード発表から1カ月余り。移籍発表2日後のDeNA戦で巨人1号を放ったが、その後はまったくいいところがなく9月11日にファーム落ち。その後最短の21日に一軍再登録されると、23日の広島戦では本塁打も出たが、その後は再びバットが湿ったままで、2試合連続で先発出場した30日の中日戦では2打席凡退したところでお役御免となって途中交代。この時点で巨人での成績は64打数8安打の打率1割2分5厘まで落ち込み、10月1日に再び一軍登録を抹消された。
プレーにあまりに元気がないのが気がかり
日本ハムで暴力事件を起こして無期限出場停止処分を受けながら、巨人へのトレード移籍で処分を解除されてグラウンドに立っていることの是非には、あえてここでは触れない。もちろん日本ハム時代の事件やそれ以前の振る舞いについては本人の問題で、そのことについてどう向き合って反省し、これからどういう風に変わっていくかを示すことが、中田がやらなければならない第一のことであるのはいうまでもない。
ただ、その中で野球人としてグラウンドに立ったときには、どういうプレーをして、どうチームの勝利に貢献できるか。そのプレーの中で見せる姿も、また中田が再起していくためには避けて通れないものであるはずだ。
ただ、プレーにあまりに元気がない、溌剌さがないのが気になるところなのだ。
もちろん移籍の経緯が経緯だけに、いきなりはしゃぎ回ることなどないのは当たり前だ。ただ結果が出ないことで、余計にそう見えるのかもしれないが、スポーツ選手にとっては絶対に必要なはずのポジティブさがプレーにも、普段の姿にも全く見えないのである。