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「すべてがワールドクラス」シニア国際大会で日本人ペア“初優勝”の偉業…三浦璃来&木原龍一組がフィギュア界にもたらすものとは? 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2021/10/03 11:00

「すべてがワールドクラス」シニア国際大会で日本人ペア“初優勝”の偉業…三浦璃来&木原龍一組がフィギュア界にもたらすものとは?<Number Web> photograph by AFLO

9月18日に行われたオータムクラシックインターナショナルで初優勝を果たした三浦璃来と木原龍一

「今シーズンのゴールは、GPメダルを取ること」

 三浦&木原組の世界選手権トップ10入りにより、日本は北京オリンピックに2組目のペアを送る可能性が開けたが、選考会のネベルホルン杯前に日本スケート連盟はその権利をISUに返上。三浦&木原が北京オリンピックに出場することは、ほぼ確実である。

「今シーズンのゴールは、GPメダルを取ること。オリンピックでは5、6位入賞を狙う」と木原。

 木原がペアに転向してわずか1年で出場した2014年ソチオリンピックは、高橋成美と総合18位。2018年は須崎海羽とのペアで21位だった。そして3度目の挑戦となる北京オリンピックでは、日本のペアとして初のオリンピック上位入賞を狙う。またメダルが射程距離に入った団体戦での戦いにも、大きく貢献することになるだろう。

 9月にはフロリダの地方試合で、村元哉中&高橋大輔が高いスコアを出して優勝した。ISU非公認のローカルな大会とはいえ、全体の大きなレベルアップを図ってきた彼らの今シーズンにも期待がかかる。

 日本はスケート大国と言われながらも、表彰台に上がるのは男女シングルばかりと長い間言われてきた。だが今シーズンは、日本のペアとアイスダンスが連続で金メダルを獲得というスタートになった。こんな時代が来ると、誰が予想しただろう。

 ペアとアイスダンスの国際舞台での活躍は、次の世代のスケーターたちのカップル競技への興味へと必ずつながっていく。

 日本のスケート界の新しい時代の到来を感じさせる、三浦&木原組の金メダル。次の挑戦は、10月のGP大会初戦、スケートアメリカになる。

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