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「すべてがワールドクラス」シニア国際大会で日本人ペア“初優勝”の偉業…三浦璃来&木原龍一組がフィギュア界にもたらすものとは? 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2021/10/03 11:00

「すべてがワールドクラス」シニア国際大会で日本人ペア“初優勝”の偉業…三浦璃来&木原龍一組がフィギュア界にもたらすものとは?<Number Web> photograph by AFLO

9月18日に行われたオータムクラシックインターナショナルで初優勝を果たした三浦璃来と木原龍一

余裕で北京オリンピック出場枠獲得

 三浦と木原は、2020年の春に新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから、カナダに残ってトレーニングに集中することを選んだ。2021年3月のストックホルム世界選手権では、飛躍的な上達ぶりを見せて10位に入賞。余裕で北京オリンピック枠も獲得した。

「(世界選手権は)客観的に見て良い結果だったかもしれませんが、練習不足もありました」。三浦はオータムクラシックのミックスゾーンで、メディアに向かってそう語った。「でもシーズン初めてのこの試合で良い演技ができたのは、良かった。次につながると思っています」。

 総合204.06を手にして、目標の一つにしていた総合200点越えも果たした。

カナダの入国規制で毎日オンラインレッスン

 二人は3月にストックホルムで世界選手権に出場した後、まだ外国人に厳しい入国規制を布いていたカナダに戻ることはできなかった。日本にいったん帰国して4月に国別対抗戦に出場し、完成度の高い演技を見せてペア、団体ともに3位に。

 その後9月にカナダの国境が開くまで、毎日マルコット・コーチとオンラインレッスンをしてきたのだという。

「ようやく先週、カナダに戻ることができました。6カ月日本で過ごしたので、(カナダに戻ったのが)不思議な感じ。いつものチームメイトと滑れて幸せです」と三浦は平常のトレーニングを再開できた喜びを語った。

 今季、SP、フリーとも昨シーズンのプログラムをキープしたのは、カナダへの入国規制のためもあったのだという。

「世界選手権の後、カナダに戻れなくなることはわかっていたので、世界選手権に行く前にフリーは手直しをしました。SPは元々、2シーズンやる予定をしていました」と木原は説明した。

【次ページ】 「今シーズンのゴールは、GPメダルを取ること」

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