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《Bリーグ開幕》ともに21歳で大決断。宇都宮の司令塔・田臥勇太&テーブス海は、なぜアメリカでの居場所を捨て日本に戻ったのか 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byShunsuke Mizukami

posted2021/10/01 17:07

《Bリーグ開幕》ともに21歳で大決断。宇都宮の司令塔・田臥勇太&テーブス海は、なぜアメリカでの居場所を捨て日本に戻ったのか<Number Web> photograph by Shunsuke Mizukami

宇都宮ブレックスを牽引する2人のポイントガード、田臥勇太(左)とテーブス海

「人から残ったほうがいいからと言われて大学に残っても、あとから後悔したら嫌だなっていうのもありました。別に間違った決断してもいいけれど、自分で後悔しないほうがいいと思ったので、すんなり決断はできたんじゃないかなと思います」とテーブスが言えば、田臥も「選んだからには、そこをしっかり全力を注ぐっていうマインドも(自分とテーブスの姿勢は)同じだと思います」と共感を示した。

 テーブスが、田臥のことをしっかりと認識するようになったのは小学校高学年のころだったという。子どものときはバスケットボールだけでなくサッカーもやっていたが、小学5年のときにバスケットボールに専念しようと決意。そのときに、まず自分の目標をはっきりさせるために調べたのが、日本で最高のバスケットボール選手が誰かということだった。

「YouTubeで『日本人初NBA選手、田臥勇太』みたいな動画を見始めたのが最初でした。いやぁ、もう、同じ日本人がNBAで……。僕、スティーブ・ナッシュ(フェニックス・サンズで田臥のチームメイト)もめっちゃ好きだったんで、『スティーブ・ナッシュといっしょのチームだ!』『めっちゃ足速い』みたいな、感覚で。(当時は)それくらいしかわからなかったけれど、本当にすごかったです」

 一方、田臥がテーブスのことをはっきりと認識するようになったのは、もう少し最近、今から2年ぐらい前のこと。やはりYouTubeの動画がきっかけだった。

「アメリカの大学でバスケットをやっているという特集組まれたりしていたころにYouTubeとかで見て知ったのが最初ですね。アメリカの大学で、しかもディビジョンⅠでやっていて、アシストランキングが全米2位という情報も聞いて、いい選手が出てきて頑張っているんだなっていうので、すごく嬉しく思ったのを覚えています」

「神のような存在だったんで(笑)」

 去年1月、そんな2人がブレックスでチームメイトになった。チーム内でどんな関係を築いてきたのかは『Bリーグ2021-22 公式ガイドブック』の対談記事を読んでいただくとして、チームメイトになってのお互いの印象を語ってもらったので最後に記しておこう。

 田臥「能力に関しては、全米でアシスト上位に入ったのがわかるなっていうぐらいに、もう身体能力はやっぱすごいし、ガードとしてもドライブやシュートもできるし、パスも好きな感じ。将来が楽しみになるぐらい、ポテンシャルを感じました」

 テーブス「会う前までは画面越しでしか見たことがなくて、神のような存在だったんで(笑)。それが実際に会って話してみて、すごく親切な人で、なんでも聞いたらすぐ教えてくれますし、意外とふつうの人間なんだなっていうのを実感しています(笑)。

 特にお手本にしたいのはリーダーシップ。プレーしないときでも必ずリーダーシップを取って、チームの流れがいいときでも悪いときでも、コミュニケーションを取って、チームを引っ張って行く。それぐらい声を出せる、自信を持っているところも本当にすごいと思いますし、自分もそうやっていけたらなって思います」

 年代が違っても分かり合える2人。テーブスが田臥に対してリスペクトしているように、田臥もテーブスの成長を楽しみにし、ポイントガードとして、そしてチームメイトとして、刺激を与えあっている。

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