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不祥事でも息子を支えた父の死。「ドン底」朝乃山、復活への汗。

posted2021/10/03 07:00

 
不祥事でも息子を支えた父の死。「ドン底」朝乃山、復活への汗。<Number Web> photograph by KYODO

'19年夏場所で初優勝して父・靖さん、母・佳美さんと。訃報に「一日一日しっかりやっていきたい」とコメント

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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KYODO

 新横綱のお披露目場所となった大相撲秋場所。番付表の最上段には、極太の相撲字で力強く「横綱 照ノ富士春雄」の文字が書かれ、大関、関脇と続いていく。そして東関脇の欄には「朝乃山英樹」の名があった。

 先の6月、相撲協会のガイドライン違反で6場所出場停止処分を受けている朝乃山は、大関の地位を陥落し、今場所は関脇となった。今後さらに番付は降下し、処分明けには三段目の地位で土俵に上がることになりそうだ。

 謹慎処分を甘んじて受け、再起を図ろうと決意した矢先のこと。その朝乃山に突然の不幸が襲った。8月16日、父の石橋靖氏が「急性心原性肺水腫」のため、64歳の若さで急逝したのだ。わずか1年半前には、大関昇進伝達式で息子の晴れ姿を目にし、感無量の面持ちでいた父上の姿を想い出す。故郷富山に暮らしていた生前の父は、息子の不祥事が明るみに出ると気丈にも地元関係者たちに詫びに回り、落ち込む息子を叱咤激励。厳しくも優しい父であった。汚名を返上すべく、覚悟を新たにしたばかりの27歳の息子――朝乃山にとって、そのショックと無念はいかばかりだろうか。

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