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「近隣住民からのクレームで」完成したのにスケボーパークが一度も使えず…《日本ではスケボーをやる場所がない》問題 

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沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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posted2021/09/30 17:05

「近隣住民からのクレームで」完成したのにスケボーパークが一度も使えず…《日本ではスケボーをやる場所がない》問題<Number Web> photograph by Getty Images

東京五輪のメダルラッシュでスケボーブーム到来…しかし日本ではスケボーをやる場所がなかなかないという

「アマチュアの全国大会を開催できる本格仕様だし、糀谷駅の改札から徒歩2分とアクセスも抜群。僕の店も、17年馴染んだ大森からウキウキしながら移転してきました。……ですが、近隣住民から苦情があって、パークは一度も利用されていません。これだけ五輪でスケートボードが話題になったいまもメドはたっておらず、まだまだ世間の目は厳しい。遮音パネルは首都高でも使われているものだし、建設前には地元説明会も京急電鉄が行なってくれているのですが」

 高架下なのだからもともと騒音には慣れている地域のはずだが、新しいカルチャーへのアレルギーが先に立つのだろう。

「百歩譲って『音がうるさい』と言われるのはまだわかりますが、『見慣れない格好の人がうろうろしている』なんてクレームも来る。そんなこと言われたら哀しいでしょう。ただ、彼らの気持ちもわかります。スケートボードは、もう何十年も遊びとして認識されてきたわけで、スポーツとして広く認められたのは数カ月前のことですから。遊びに対して市民や行政が応援するはずがない。いまのところ、スケートボードが思いっきりできるのは住宅地から離れた僻地や倉庫などの、ひと目に触れにくい場所が多いですが、ゆくゆくは頑張っている姿やカッコいい姿を見て触れて応援してほしいですね」

 現在、冨田氏は、糀谷駅高架下のスケートパークがオープンできることを願いつつ、天空橋駅周辺に広がる広大な羽田空港跡地にパーク建設を求める電子署名活動を進めている。

「一番近いパークでも車で20~30分」

 一方、地方のスケーターたちもパーク不足に悩んでいる。2019年から7歳の娘とスケートボードを楽しんでいる長野県在住のRINGOママ氏は、地元の自治体にパークを作るべく活動中だ。

「長野県には公共パークが12(1つは道路拡張のため今後閉鎖予定)、プロショップが経営管理しているスケートパークが7ほどありますが、私の自宅から最も近いパークでも、車で20~30分ほど。自動車を持っていない人や子どもたちにとってはパークへの移動が難しく、自宅や近所の駐車場で孤独に練習している人も多いのが現状です。そこで、子どもの遊び場所の確保や地域の活性化のためにもパーク建設をお願いする活動を始めました。聞けば、県内にすでにあるパークは、いずれも市民の要請によって作られたそうですから、それを励みにして、町長に要望書を渡したり、スケートボード愛好家を増やすための練習会を開催したり、500人ほどの署名を集めたりしています」

なぜ“迷惑系スケーター”が生まれる?

 RINGOママ氏の周囲には、小学生のスケーターが20人ほど、中高生が10人前後、中高年も含めた大人が30人ほどいるという。長野県の小さな町では、なかなかの勢力だ。奇異の目で見る町民も少なくないのではないだろうか。

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