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「また、こいよ」の捨てがたき郷愁。
posted2021/09/13 07:00
“智弁対決”となった今夏の甲子園決勝を制したのは智弁和歌山だった
text by

藤島大Dai Fujishima
photograph by
Hideki Sugiyama
327対1。なんたる大差よ。
「スコア」だけ切り取るなら白黒はついている。数の少ない側の圧勝である。
夏の甲子園の決勝。開始前、さりげなくNHKの中継がデータを示した。
智弁学園の先発、西村王雅のこの大会におけるここまでの球数は「327」である。3試合で24回を投げた。
かたや智弁学園和歌山の先発、伊藤大稀はなんと「1」だ。
えっ、1球ですか。叫びはしないが驚いた。
3回戦の9回、2点先行の2死一、二塁で救援登板、最初の投球で内野ゴロに仕留めた。
結果として真紅の優勝旗をつかんだ智弁和歌山はもともと2回戦からの登場で、そこに不戦勝が重なった。準決勝を終えて3試合しか戦っていない(奈良の智弁は5試合)。総勢5人もの好投手を擁するチームなら「そこまで1球」もありえた。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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