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<発掘>キョロキョロするルーキー長嶋茂雄、バットを拾う川上哲治…63年前のTVドラマ(遊星王子)に「巨人vs阪神」のお宝映像が使われていた! 

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高木圭介

高木圭介Keisuke Takagi

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photograph byKYODO

posted2021/09/03 06:00

<発掘>キョロキョロするルーキー長嶋茂雄、バットを拾う川上哲治…63年前のTVドラマ(遊星王子)に「巨人vs阪神」のお宝映像が使われていた!<Number Web> photograph by KYODO

写真は昭和33(1958)年、プロ1年目の長嶋茂雄の打撃フォーム。当時の巨人vs阪神の貴重映像がTVドラマに収録されていたとは驚きである

 背番号こそ映っていないものの、先述した藤尾のヒットにより、三塁を回り、キョロキョロと落ち着きのない動作とともにホームインしてくるのは、ルーキー時代のミスター(長嶋)で間違いない。その走り方だけで正体が分かってしまうのはさすが!

 この時、新人だったミスターを除き、のちに本格的なTV時代が到来してからも、プレーする姿を映像で目にすることができる選手は数少ない。そのため、遊星王子の劇中で「動く姿」を拝見できるのは貴重だ。

 タイトルこそ「消えたホームラン王」だが、この年のセ・リーグで実際にホームラン王に輝いたのは長嶋茂雄。ちょうど川崎球場にて、この回の撮影を行なっていた頃、巨人軍入団と背番号1が発表(10月4日)されたのが、王貞治ということになる。

 4年後(昭和37年)、王はこの川崎球場で一本足打法を初披露したのを号砲にホームラン打者として覚醒。以降は昭和49年まで13年連続でセ・リーグのホームラン王に輝き、背番号1は「ホームラン王の代名詞」となるのだった。

消えたホームラン王の義父が初代「背番号1」

 奇縁がもう1つ。この『遊星王子』にて、「消えたホームラン王」を演じた大瀬康一は、6年後(昭和39年)に「東映のお姫様女優」と呼ばれた高千穂ひづると結婚。大瀬の義父となった高千穂の父親こそが、黎明期の巨人軍で初代の背番号1を背負った二出川延明なのだ。ちなみに王は7代目の背番号1となる。二出川は戦後になって審判に転身し、「俺がルールブックだ」なる有名なセリフとともに、名物審判として知られたプロ球界のレジェンドだ。

 古い映画やTV番組の何気ない挿入シーンが、今となっては往時を伝える貴重な資料映像となっていることは多い。お手軽に古い映像を視聴できるようになった今だからこそ、今後もお宝映像を発掘して紹介していきたい。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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