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《どちらが本物?》「鷹木信悟は暫定王者」オスプレイが持ち出した“2本目”のIWGP世界ヘビー級ベルト、混沌の行方は…
posted2021/08/27 11:01
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「オレに日本のマットに戻ってきて欲しければ、たった今から、タカギを『暫定チャンピオン』に訂正しろ。ウィル・オスプレイこそが真のIWGP世界ヘビー級王者だ」
首の負傷を理由に日本を離れていたウィル・オスプレイは8月14日、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム・トーチ前の野外興行に姿を見せてリングに上がると毒づいた。
「オレが今日ここに現れるとは思っていなかったろうけれど、オフィス(新日本プロレス)に一つ言いたい。復帰する準備はできた。もうすぐ、日本では大きなリーグ戦が始まるな。G1、G1、そうG1だ。ここではっきり宣言する。ウィル・オスプレイは今年のG1には、出ない。もっと言うと、日本のリングには戻らない。オレはニュージャパンのためを思い、自分を犠牲にしてベストを尽くしてきた。
それなのにオレがたった4カ月の休養を頼んだら、新日本はオレからIWGP世界ヘビー級チャンピオンのベルトを取り上げた。ジョン・モクスリーの野郎は1年以上もUSのベルトの防衛戦もしていなかったというのに、なぜここまで身をボロボロにしてすべてを捧げてきたオレにそんな仕打ちができるんだ。ここでオレから一つ要求がある。シンゴ・タカギ、おまえらファンが大好きなタカギだ。でもオレは首を負傷していながら、アイツに勝ったんだ。たしかにいま、アイツがベルトを巻いているかもしれないが、アイツは真のチャンピオンではない。あくまでも暫定チャンピオンだ」
そう言うと、オスプレイは黒い袋から何かを取り出した。映像を見る限り、それは紛れもないIWGP世界王座のベルトだった。ベルトは日本にあるはずではなかったのか。何かのマジックか?
「その証拠にベルトは今オレの手元にある。オレは一度も負けてない。だからこれから、誰だろうが、どこだろうが、挑戦を受ける。ニュージャパン以外の選手でもいい、オレがこのベルトを防衛していく。禁断の扉だってこじ開けてやる。いや、AEWなんかにオレと対等に戦えるヤツはいない。今日からオレがこの『STRONG』を制覇する。LA道場の雑魚ばっかりだったSTRONGのマットにもようやく本物のスターが登場するんだ」
オスプレイは言いたいだけしゃべって柴田勝頼らのLA道場をけなした。
過去には猪木とバックランドのWWF世界王座戦でも…
ベルトは団体の大きなシンボルであり、同時に重要な興行のツールだ。ベルトをめぐるいざこざは古くからいくつも存在した。