辻内：今もわりとあって、指導者になりたいな、トレーナーもできたらいいなって思います。通常はコーチとトレーナーが別々にいますけど、一人で両方できたらコスパいいじゃんみたいな。選手も練習が終わった後、わざわざ整体師さんの所に行ってケアしてもらわなくて済むんじゃないか、そうすればもっと競技に専念できるよなって考えています。いろんな面からサポートできる人になりたいですね。

松岡：将来的に、ですね。

辻内：今は自分のことでいっぱいいっぱいなので、他の選手をサポートするというのはなかなか出来ないんですけど、若手の選手と合宿をしたりレースをしたりすることが多いので、そういうときに自分が伝えられるものがあれば伝えていきたいですし、その子たちをもっと成長させられるようなサポートをしていきたいなって、選手ながらに思ったりとかしていますね。

「人々の心に残るのは結果だけじゃない」（松岡）

松岡：多分、彩野さんに話を聞くインタビュアーが難しいなと思うのは、この最後の質問です。東京パラリンピックでの目標は何ですか？　そう聞いたときに「私は絶対に頑張ってメダルを取りたい」というようなことは多分、言わないんだろうなという気がしちゃって。でも、聞きます。何をしたいですか？

辻内：とにかく高校のときの自分を超えたいので、超えるチャンスとして東京パラリンピックに挑みたいです。あとは現時点の私のレベルだと、決勝進出ラインぎりぎりなんですよ。（決勝に）残るか残らないかの所なので、メダル獲得が目標というよりは「決勝に進んでベストパフォーマンスをする」というのを目標にしています。メダルに執着しすぎると、自分に重りを付け過ぎちゃうというのもありますし。だから決勝に進んで、その舞台を楽しんで、自己ベストを出す。それができたらいいっていうことにしています。

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松岡：欲しくないんですか、メダル。

辻内：もらえるなら欲しいです、メダル（笑）。

松岡：久しぶりなんですよ、東京でパランピックがあるって。こんなラッキーなことないっていうのが普通なのに、彩野さんにはそんな雰囲気がほとんどないんです。これ、合ってます？

辻内：合ってます。

松岡：初めてのパラリンピックですよね。なぜ興奮を感じないんでしょうか？

辻内：何でですかね？　近過ぎちゃうんでしょうね、会場が家から。

松岡：え？ え？ そんなことですか!?（一同爆笑）

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