松岡：それでも高校で水泳を続けられたんですね。目指したのはどこですか？

辻内：中学時代は個人種目で全国大会に行ったことがなかったので、ジュニアオリンピックとかインターハイに個人種目で出場するというのを目標にしていました。結局、個人種目では出られなかったんですけど、リレーで高校2年生にジュニアオリンピックとインターハイ、3年生のときにインターハイに出場しました。

松岡：彩野さん、すごい選手じゃないですか。大学でも怪我と折り合って続けられる感じではなかった？

辻内：中学・高校と大事な大会の予選会前に怪我をするというのを何回も繰り返していたので、どんなに自分が注意していても怪我って防げないなという思いがあって。もし4年間、大学の水泳部に入って競技を続けて、また怪我をしたら自分の心が折れないかというのが不安でした。

競技をしない期間で体がリセット

松岡：今、怪我の状態はどうですか？

辻内：ほとんど泳がない期間が2年程あったおかげで、限りなくリセットが効くぐらいのところまで戻って、今はほとんど怪我をしません。ゼロではないですけど、高校生の頃と比べたら格段にしなくなりました。高校まではウエイトトレーニングを一切やらなかったのが、今は段階的にトレーニングを積んで、体の状態を管理できるようにもなったことが大きいと思います。

松岡：競技から離れた時間は、体のことだけを考えたらプラスの“休暇”になったということですね。

辻内：そうですね、かなりプラスになりました。

松岡：大学では完全に水泳から離れてしまったんですか？

辻内：いいえ、無理しない程度に小さい大会にはちょこちょこ出ていました。あと、選手をサポートする側に回れたらいいなって思うようにもなりました。

松岡：僕が代わりに彩野さんの心の声を言いますよ。「彩野はもう怪我が多いから水泳に向いてないわ。自分の目標は達成できないから裏方というか、怪我をしている苦しい人達を助ける番だ、そういう役割をしたい」。この捉え方で合ってますか？

辻内：うーん、もう泳げないとは思っていなくて、水泳から一歩下がろうぐらいな感じでしたね。

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