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藤井聡太二冠や豊島将之竜王は五輪期間中もアツかった(豊川七段のダジャレも)… 観る将マンガ家が描く「7月の将棋ハイライト」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by日本将棋連盟/Junsei Chida(illustration)
posted2021/08/09 11:03
藤井聡太二冠とマンガで描く7月の将棋ハイライト。今年度の全イラストは関連記事からご覧になれます!
豊川孝弘七段は将棋ファンならだれもが知っていると思いますが――解説でとにかくダジャレを挟んでくるスタイルが真骨頂です。「マンモス」「難解ホークス」「同飛車大学」などのフレーズは、見始めた頃は正直こちらが戸惑っていたんですが(笑)、今ではないと寂しいレベルの“中毒症状”です。
で、今回ツボに入ってしまったのは、NHK杯の井上慶太九段-渡辺和史四段での一幕です。
「手筋の応酬、おすじとピーコですよ!」
……聞き手は中村桃子女流二段(本当に分かりやすく観る将の疑問をスッと拾ってくれている印象です)でしたが、長年鍛えてきた“スルーする能力”もパーフェクトでした。そう言えばABEMAで中継した豊島竜王-藤井二冠のタイトル戦でも豊川七段が解説してましたが、絶口調でしたね。病みつきになるダジャレ解説、また楽しみにしてます。
藤井二冠は相変わらずの大活躍
(2)7月の藤井聡太二冠は7局全勝
藤井二冠は6月から棋聖戦、王位戦、そして叡王戦とトリプルタイトルマッチを戦っています。五輪のサッカー等もビックリの過密日程ですが……7月の対局、なんと7局すべて勝利したんですね。恐るべし……。
3日 ○渡辺明名人/棋聖戦第3局
6日 ○久保利明九段/順位戦B級1組
10日 ○山崎隆之八段/竜王戦決勝T
13、14日 ○豊島将之竜王/王位戦第2局
21、22日 ○豊島将之竜王/王位戦第3局
25日 ○豊島将之竜王/叡王戦第1局
30日 ○石田直裕五段/王将戦 二次予選
こうして結果を並べるだけでも凄い。棋聖戦第3局では渡辺名人相手にしっかりと勝ち切り、自身初のタイトル防衛・史上最年少での九段昇段を決めました。何より、あれだけ番勝負で強い印象がある渡辺名人が、初めてストレート負けを喫するとは――そのインパクトが強烈でした。
8月に入っても、6日の竜王戦決勝トーナメントで八代弥七段に勝利して、永瀬王座との挑戦者決定三番勝負へと進みました。今年4つ目のタイトルマッチ挑戦となるのか、こちらもまた目が離せないです。