酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
野球の日韓戦、五輪やWBCなどで日本10勝-韓国9勝の“ほぼ五分” メダルへ2つのカギは過去苦しめられた左腕攻略と…〈宿敵分析〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byShinya Mano/JMPA
posted2021/08/04 11:05
劇的なサヨナラ勝利で準決勝進出を決めた日本。宿敵・韓国との準決勝を制すれば頂点が見えて来る
韓国は1日のドミニカ共和国戦で劇的な逆転サヨナラ勝ちをしてから勢いに乗り、2日のイスラエル戦は11-1とコールドで大勝した。宿敵日本との戦いになれば、韓国はいつも以上に闘志を燃やす。この戦いも非常に熱いものになるはずだ。
五輪とWBC、プレミア12の戦績を振り返ってみる
五輪とWBC、プレミア12での日韓戦の戦績を振り返っておこう。
<五輪 日本3勝 韓国4勝>
1984年ロサンゼルス
予選リーグ 〇日本2-0韓国●
1988年ソウル
準決勝 〇日本3-1韓国●
1996年アトランタ
予選リーグ 〇日本14-4韓国●
2000年シドニー
予選リーグ ●日本6-7韓国〇
3位決定戦 ●日本1-3韓国〇
2008年北京
予選リーグ ●日本3-5韓国〇
決勝トーナメント ●日本2-6韓国〇
五輪では公開競技の時代から日本が3連勝していたが、2000年のシドニー五輪以降、韓国が4連勝。4日の試合は、13年ぶりの対戦となる。なお1992年のバルセロナ五輪野球競技には韓国は出場していない。
<WBC 日本4勝 韓国4勝>
2006年 第1回
1次ラウンド ●日本2-3韓国〇
2次ラウンド ●日本1-2韓国〇
準決勝 〇日本6-0韓国●
2009年 第2回
1次ラウンド 〇日本14-2韓国●
1次ラウンド ●日本0-1韓国〇
2次ラウンド ●日本1-4韓国〇
2次ラウンド 〇日本6-2韓国●
決勝 〇日本5-3韓国●
WBCでは第1回、第2回と韓国との激戦が、連覇日本の最大のハイライトだった。両大会ともに死闘を演じた。しかし2013年の第3回、2017年の第4回では、韓国が日本と対戦する前のラウンドで敗退したために、対戦はなかった。
<WBSCプレミア12 日本3勝 韓国1勝>
2015年 第1回
オープニングラウンド 〇日本5-0韓国●
準決勝 ●日本3-4韓国〇
2019年 第2回
スーパーラウンド 〇日本10-8韓国●
決勝 〇日本5-3韓国●
2015年の第1回では、韓国が準決勝で日本を下し、決勝でもアメリカを下して優勝している。2020年東京五輪の予選を兼ねた2019年のプレミア12では日本はスーパーラウンド、決勝でともに韓国を下して優勝した。しかしともに2点差の接戦であり、実力は伯仲している。
このプレミア12の顔ぶれの大部分が、今回の東京五輪でも選出されている。この結果が大いに参考になるはずだ。
五輪、WBC、プレミア12を通じた対戦成績は日本10勝、韓国9勝、まさに好敵手と言ってよい。