All in the Next ChapterBACK NUMBER
宮本慎也、川崎宗則、西岡剛…世界を知る“達人”が心配する「三塁の守備」侍ジャパン村上宗隆の起用法は?
posted2021/07/27 11:03
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
KYODO
侍ジャパンが金メダル獲得に向けてスタートを切った。5日間の強化合宿を経て、楽天、巨人との強化試合を2試合こなし、いよいよ28日にドミニカ共和国との初陣を迎える。
悲願のメダル獲得へ向け、選ばれた日の丸メンバーは24人。コロナという見えない敵、全試合無観客での試合、五輪競技として戻ってきた野球競技でのメダル獲得への重圧……母国開催というアドバンテージがあるとはいえ、独特の空気感が漂う中での戦いになることは間違いないだろう。
そこを勝ち抜くために、どのような要素が必要となるのだろうか。五輪やWBCといった国際大会を経験してきた元日本代表の面々に大会直前、話を聞くことができた。
宮本氏がポイントに挙げる「三塁」
アテネ五輪、北京五輪で侍ジャパンのキャプテンを務めた宮本慎也氏は、当時に感じた“独特の緊張感”を思い出しながら、起用法に言及した。
「今、振り返るとアテネの時はこれまでになかった表情をしていたと思う。(国際大会に必要なのは)“いつもと違う”に慣れることが出来るかどうか。五輪ではその緊張感からスローイングの感覚が変わる。特に比較的遠い距離を投げる三塁手と遊撃手は想像以上に難しい。国際大会では捕ることよりも投げることが難しいと感じた。
三塁の経験の浅い村上(宗隆)をサードで使うのか、それとも一塁、または指名打者に置くのか。メンバー選考を見ていると村上以外に三塁手はいない。国際大会を経験してきた坂本(勇人)に三塁を多く守らせる形にするのか、守備のスペシャリスト源田(壮亮)を三塁で上手く使っていくのか」
日本球界の将来を背負う逸材の村上は今回が代表初選出。宮本氏はヤクルトの後輩にもあたる21歳をどう起用していくかをポイントに挙げた。