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箱根駅伝に出場するケニア人留学生はこうして日本に来る “稼げる実業団”より“稼げない大学”を目指す留学生が増加する理由 

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酒井政人

酒井政人Masato Sakai

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/06/19 11:02

箱根駅伝に出場するケニア人留学生はこうして日本に来る “稼げる実業団”より“稼げない大学”を目指す留学生が増加する理由<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

89年の箱根駅伝で日本中を驚かせた山梨学院大のジョセフ・オツオリ。今やケニア人留学生は欠かせないものになった

実業団よりも大学進学を目指す選手が増えている

 ケニア人にとって「走る」ことは、貧困から抜け出す最大の手段だ。世界のメジャーレースで活躍できるようになると、ケニア人にとっては夢のような大金が転がり込んでくる。また日本の実業団に入ることができれば、安定したサラリーを受け取ることができる。長期間、実業団に所属した選手のなかには、その給料を元手にケニアで事業を展開している者もいる。しかし、ニャフルルに住む若者たちのマインドは近年変わりつつあるようだ。

「日本の実業団に行くのが一番いい目標ですけど、実業団のレベルが上がっていることを選手たちも知っているんですよ。結果が出なければ、クビになります。その状態でケニアに帰国しても、なかなか仕事がありません。それまでの生活に戻ってしまいます。でも日本の大学に進学すれば、競技をしながら学位も取れる。大学を卒業して実業団に行ければハッピーですし、日本語を話すことができて資格やスキルも身につけば、帰国した後も仕事の選択肢が増える。長期的なことを考えて、日本の大学に行きたいと考えている選手は多くなっていますね」(柳田さん)

 現在はコロナ禍で日本からケニアに行くことが難しいだけでなく、ケニアから日本に入国するのも簡単ではない。そのため、すでに日本にいる高校生や実業団選手が大学に進学するケースが目立っている。そして、ケニア人留学生を採用したいと考えているチームはまだまだある。今後の学生駅伝界はケニア人留学生の存在感がさらに大きくなりそうだ。

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