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「藤浪晋太郎は大丈夫でしょうか?」「最後はやっぱり本人」矢野燿大監督(阪神)がインタビューで厳しくなった瞬間 

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金子達仁

金子達仁Tatsuhito Kaneko

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photograph byHiroshi Nakamura

posted2021/06/18 17:02

「藤浪晋太郎は大丈夫でしょうか?」「最後はやっぱり本人」矢野燿大監督(阪神)がインタビューで厳しくなった瞬間<Number Web> photograph by Hiroshi Nakamura

2019年シーズンから阪神を率いる矢野燿大監督(52歳)

「もともと選球眼はいい選手ですし、そういうことができる選手ではあったんです。ただ、今年は特に、目立って良くなってきてるっていうのはありますよね。日本のやり方、日本のスタイルに適応しようっていう気持ちを凄く感じますし、チームの中でも愛されるキャラなんですよ」

 開幕間もない4月1日、マツダスタジアムでのマルテの走塁に矢野は驚いたという。

「サンズの浅いセンターフライで、あいつ、ホームに帰って来たんですよ、こっちはもう、うわ、マルちゃん走ったんかってビックリして」

 だが、マルテの積極的な走塁は、偶然の産物ではなかった。

「足、遅いんですよ、マルちゃん。でも、1年目2年目の時に、『あのヒットで帰ってこられへんのやったら、俺はお前を使えない』みたいなことは、何度も言ってきてたんです。その積み重ねみたいなのが、いまになって現れてきてるんかなあ」

 短い期間で日本を去っていくということを前提にするのであれば、外国人選手は、必ずしもそのチームや監督のスタイルに馴染む必要はない。必要なのは、自分が望む結果あるのみ。だが、今年のマルテは、日本人が望む結果、内容を追求し始めているように見える。

「ホームラン打ったらベンチの前でやるラパンパラもそうですけど、ファンを喜ばせようという気持ちとか、チームに一体感を持たせようとする姿勢とか、外国人選手という枠をちょっと飛び越えてきてる感じはありますね」

「高山俊、藤浪晋太郎は大丈夫でしょうか」

 前日に嫌な負け方をしていたことを忘れさせるほど、穏やかに話を続けてくれた矢野だったが、一度だけ、口調に厳しさが走ったように感じられた瞬間があった。インタビューもほぼ終わり、こちらが雑談のつもりで話を振った時だった。

「大丈夫か、大丈夫じゃないかは、本人次第です」

 矢野を真顔にさせたのは、「高山俊、藤浪晋太郎は大丈夫でしょうか」という問いだった。

【次ページ】 「最後はやっぱり本人」

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