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新人野手として清原、松井以来のNumber表紙 “令和の怪物”佐藤輝明(阪神)が語った意外な「憧れの選手」とは?
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byMaciej Kucia
posted2021/06/17 17:07
オールスターのファン投票の中間発表では一時、12球団トップの得票を得ていた佐藤輝明。
「テルには、いい意味で怖いもの知らずで行ってもらいたい」(大山悠輔)
「輝が助けてくれた試合もたくさんあったし、輝が苦しんでいる時に自分が何とかしてあげたいという打席もありました」(梅野隆太郎)
「ファンの皆さんと同じく、彼のバッティングを見るのは私もワクワクします(笑)」(サンズ)
「同期の佐藤(輝明)選手と一緒に行動することによって、そういう(マイペースな)部分がうつってしまったかもしれないです(笑)。彼はしっかりと自分を持っていますから」(中野拓夢)
どのインタビューも「チームのいま」を語るうちに、自然と話題は佐藤のことになっていった。
ちなみに本誌の表紙を新人野手が単独で飾るのは、1986年の清原和博(159号)、1993年の松井秀喜(312号)に次いで史上3人目となる。昭和、平成の怪物に続いて表紙となった “令和の怪物”佐藤自身は、今回のインタビューのなかで、「好きな選手」として別の大物の名前を挙げた。
「小さい頃からメジャーリーグが好きでよく観ていました。とくにイチローさんのプレースタイルというか、打っても表情を変えない、クールな感じが好きでした。自分もどちらかというと感情を表に出すタイプではないと思います」
スタイルは違えども、ファンからも「メジャー級」「まるで助っ人外国人」と声があがる佐藤の日本の枠に収まらないスケール感には、幼い頃から観ていたイチローの野球が大きな影響を与えているのかもしれない。
彼のスケール感についてもう一つ、チームの井上一樹ヘッドコーチは今号の取材の中で、チームみんなが良い風を吹かせようと必死に羽ばたく中で「その羽をとんでもなく大きくしてくれた」とも例えてくれている。
佐藤が大きくした羽で、猛虎は今シーズン、天高く空を駆けることができるか――。
<※Number本誌撮り下ろしの佐藤輝明のプレー写真はこちらから>
Number1029号では、佐藤輝明の独占インタビューとともに、撮り下ろし写真を多数掲載。大山悠輔、梅野隆太郎、伊藤将司、矢野燿大監督らのインタビューや、藤浪晋太郎のノンフィクション、近本光司×赤星憲広、中野拓夢×井端弘和の対談も掲載。また星野&金本の2003年、ノムさんとF1セブン、亀新フィーバー、JFKなど、これまで阪神に吹いた「新風」を証言でたどる記事も掲載。ぜひご覧ください。