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ウッズ不在も最高潮のドキドキ感…全米オープンでも「まさか」は続く? ミケルソンのメジャー連勝、松山英樹の優勝はあるか 

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byGetty Images

posted2021/06/17 17:02

ウッズ不在も最高潮のドキドキ感…全米オープンでも「まさか」は続く? ミケルソンのメジャー連勝、松山英樹の優勝はあるか<Number Web> photograph by Getty Images

トーリーパインズで行われる今年の全米オープン。2008年にタイガー・ウッズが壮絶な死闘を制したシーンは記憶に新しい

「まさか」ではなく、正統派の予想という視点から眺めれば、ラスベガスのブックメーカーが示す優勝候補の筆頭はスペイン出身のジョン・ラームだ。

 ラームは2週間前、連覇がかかっていた米ツアーのメモリアル・トーナメント3日目を2位に6打差の単独首位で終えた途端、PCR検査で陽性判定が出たと告げられ、即座の棄権と自主隔離を余儀なくされた。

 しかし、10日間の隔離は全米オープン開幕直前でクリアされ、ラームはトーリーパインズにやってきた。

「受け入れがたい出来事だった。でも、起こってしまった現実を変えることはできないのだから、いつまでもこだわるのではなく、今とこれからを見つめたい。僕は今、この全米オープンを全力で戦うことしか考えていない」

 ゴタゴタを乗り越えてきたからこそ、今のラームは戦うことだけを考える理想的な集中状態にあるように感じられる。それが、「まさか」の棄権・隔離という出来事から「まさか」の大復活優勝へつながる可能性はあり、そんなダブルの「まさか」にゴルフファンは興奮を覚えているのではないだろうか。

ケプカとデシャンボーの確執

 ゴタゴタと言えば、昨今の米ゴルフ界において一番ゴタゴタしているのは、ブルックス・ケプカとブライソン・デシャンボーの2人だ。

 そのゴタゴタ自体は、どちらが何を言ったとか、言わないとか、そのせいで観衆から野次られた等々、まるで小学生のケンカのような内容だ。デシャンボーが「取り締まってくれ」と米ツアーに苦情を出したかと思えば、逆にケプカは「そういうライバル関係はゴルフ界にとって、いいことだ」と涼しい顔だ。

 そのゴタゴタを面白おかしく扱うメディアやファンの中には、全米オープンの予選ラウンドで2人が同組になって対決するストーリーを切望していた人も多かった。

 しかし、大会主催者のUSGAが、そんなゴタゴタを伝統ある全米オープンに持ち込まなかったことに、ほっと胸を撫で下ろした人は、もっと多かったのではないだろうか。私も、その一人だ。ちなみに、ケプカはコリン・モリカワ、ジャスティン・トーマスと回り、デシャンボーは松山英樹、タイラー・ストラファシーと同組になった。

 もしも、ケプカとデシャンボーが本当に「いいライバル関係」なのだとすれば、切望されるべきは、作為的な同組対決ではなく、決勝ラウンドで、いや最終日最終組で2人が同組になるような、そういう優勝争いだ。

 メジャー4勝、全米オープンでは2勝を挙げているケプカは、前週のパルメトー選手権で予選落ちを喫したばかりだが、「レギュラー大会はなかなか集中できないが、メジャー大会では集中できる」と豪語している。

 ディフェンディング・チャンピオンのデシャンボーは、さらなる肉体強化と飛距離アップに加え、ショットやパットの精度を高めるために、さまざまなフィールドのプロフェッショナルたちを集め、「あらゆる限界に挑んでいる」という。

 2人はどちらも優勝候補の2番手に並んでおり、もしも、そんな2人がサンデー・アフタヌーンに熱い一騎打ちを演じるのだとすれば、そういう「もしも」が起こる展開こそは、ゴルフ界にとって、この上なく、いいことだ。

【次ページ】 松山英樹にも「まさか」は起こる?

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