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大谷翔平の二刀流で移籍決断? 41歳のレジェンド・プホルスがドジャースでワールドシリーズ連覇の“起爆剤”に
posted2021/06/12 17:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
MVP3回など数々の実績を持つアルバート・プホルスが、エンゼルスからドジャースへ電撃移籍した。5月17日、初出場のダイヤモンドバックス戦で適時打を放ち、20日には移籍後初アーチとなる通算668号本塁打を右中間へ運んだ。
「私のタンクにはまだガソリンが残っている」と話していた通り、依然、パワー健在であることを実証した。
将来、殿堂入りが確実視される41歳は、エンゼルスとの契約最終年を迎えた今季、大きな決断を下した。開幕以来、大谷翔平が投打にわたって大活躍し、DHだけでなく、登板日も打席に立つ“リアル二刀流”も含め、ほぼ毎試合プレーするようになった。さらに、昨年来、一塁ジャレド・ウォルシュが急成長。チームに欠かせない存在となり、大ベテランの出場機会は限定された。
プホルスが選択した道は、退団だった。エンゼルスがメジャー枠から外した時点では、フロントや首脳陣との確執も取り沙汰されたが、双方とも否定。事の詳細は不明だが、より多くのプレー機会を望むプホルスとチーム再建へ舵を切る球団の思惑が一致し、結果として他球団への移籍を前提とした措置が取られた。
レジェンドの加入は最高の起爆剤だった
先行きが不透明だった大砲に、存在価値を見出したのがドジャースだった。DHがなく、毎試合の出場は保証できない。だが、世代交代を進めるエンゼルスとは対照的に、目指すゴールはワールドシリーズ連覇。高い目標へのモチベーションをチーム全体に再認識させるうえでも、レジェンドの加入は最高の起爆剤だった。サイ・ヤング賞3回のエース左腕クレイトン・カーショーは、満面に笑みを浮かべて言った。「我々は彼が何をできるか、間違いなく分かっている。すばらしい補強だと思う」。クローザーのケンリー・ジャンセンにいたっては、「彼はクラブハウス内のプレジデントだ」と、襟を正すように言った。
いかに偉大な実績を残しても、幕引きの時はやって来る。ただ、必要とされる限り、グラウンドに立ち続けたいと思うのがアスリート。
「チームに貢献できることに興奮しているし、願わくは、勝利を手助けできるようにしたい」
プホルスの移籍がドジャースの連覇につながった時、新たなサクセスストーリーが完結する。