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米投資ファンドがオールブラックスに触手…世界のラグビーに今、何が起きているのか【日本の新リーグも対象になる?】
 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2021/05/30 17:01

米投資ファンドがオールブラックスに触手…世界のラグビーに今、何が起きているのか【日本の新リーグも対象になる?】<Number Web> photograph by Getty Images

ラグビーが国技とも言えるニュージーランド。その象徴であるオールブラックスに海外の資本が入ることになりそうだ

 投資ファンドとラグビーの関わりと言えば、過去の記事でも以前に紹介した「CVCキャピタル・パートナーズ」の欧州プロラグビーへの投資という前例がある。CVCは2018年のイングランド・プレミアシップへの投資を皮切りに、PRO14(アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イタリア、南アフリカのプロクラブで構成されるリーグ)、さらにはシックスネーションズの株式をも買収した。

 少数株とはいえ、この影響は各組織の意思決定に影響を及ぼし、プレミアシップの昇降格制廃止議論や、最終的には無料放送の継続が決定された一方で、シックスネーションズの有料放送化への圧力など、欧州ラグビー界に不気味な雰囲気を与えている。

 CVCの悪評として挙げられるのが、ラグビーの前に投資したF1の例だ。このモータースポーツをボロボロに食い潰した後、利益確定の売り抜けをしたという事実がある。だが、欧州のプロラグビー界を管理するマネージメント陣は、一流のビジネス人たちだ。こうした過去の事実を知った上で、CVCとの取引に合意したはず。欧州のラグビー界には伝統的に金融関係者が多く、両者が勝つという形が見出せたからこそ、CVCの投資を受け入れたのだろう。

マンCにも触手した過去

 今回の“主役”シルバーレイクも、イングランドのサッカーチーム、マンチェスター・シティ、さらには総合格闘技団体UFCの株式にも既に投資を行なっている。プロスポーツを投資対象の1つとする投資ファンドが、オールブラックスにその触手を伸ばした、というのが正しい見方だろう。

 試合数の多い欧州では、選手たちは試合に忙しく投資ファンドに意見する時間もなく無事にマネージメント陣が契約をまとめた。だが、ニュージーランドラグビー界がこの先どのように動くかは、まだ決まっていない。

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