ラグビーPRESSBACK NUMBER
米投資ファンドがオールブラックスに触手…世界のラグビーに今、何が起きているのか【日本の新リーグも対象になる?】
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byGetty Images
posted2021/05/30 17:01
ラグビーが国技とも言えるニュージーランド。その象徴であるオールブラックスに海外の資本が入ることになりそうだ
CVCの欧州ラグビーへの進出の背景の1つとして、選手の給料の上昇によって引き起こされたプロクラブの財政難という問題がある。CVCはここで生まれたギャップを埋める形で、欧州ラグビー界へ入り込んだ。
賛否両論ある動きではあるが、プロスポーツとしてのラグビーを支える新たなキープレーヤーの登場は最終的に欧州ラグビー界に受け入れられたことになる。
日本では、野球やサッカーをはじめとし、親会社モデルとも言える1社の大企業がプロスポーツチームの財政を支えるケースが多い。こうした親会社の財政負担を軽減することも日本ラグビー新リーグの目的の1つだが、海外の投資ファンドという選択肢が日本ラグビー界へやってくる日は来るのだろうか。谷口氏は、こう結んだ。
「海外の投資ファンドから声が掛かるほど魅力的なリーグになるのはいいことですが、長期的な戦略、さらにはスポーツの公共性という課題もあります。当然、日本独自の事情もありますし、投資を受け入れるとすれば、欧州とは違った形での調整が必要になると思います」
今後、世界のプロラグビーがどのような方向へ進むのか。グラウンドの外にいるビジネス人たちのハードワークにも注目したい。