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「女子野球が広がることで男子野球の仕組みも…」静岡初の女子高校野球部 監督・校長が取り払う先入観と固定観念とは 

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間淳

間淳Jun Aida

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photograph byTokai University Shoyo Shizuoka High School

posted2021/05/27 17:00

「女子野球が広がることで男子野球の仕組みも…」静岡初の女子高校野球部 監督・校長が取り払う先入観と固定観念とは<Number Web> photograph by Tokai University Shoyo Shizuoka High School

東海大静岡翔洋高校の女子野球部メンバー

 弓桁監督が女子野球の競技人口を調べた結果、男子は減少しているのに対し、女子は増えていることが分かった。しかし、静岡県の高校に女子野球部がないため、野球を断念したり、野球を続けるために県外の高校に進学したりする現状が数字に表れていたという。再び村上校長を訪ね「部員は集められそうです。このままでは県内の女子野球は衰退します」と訴えた。

 村上校長も「受け皿や夢を実現させる場がないなら、うちの学校がつくる。教育は未来を語る場」と弓桁監督と歩みを進める決意を固めた。

県内外から26人が女子野球部に

 弓桁監督は自ら部員勧誘に動いた。

 男子硬式野球部のマネージャー志望だった齊藤美咲さんと中村めいさんに声をかけた。そこに、中村さんの友人だった岡村妃菜さんが加わり、現在の2年生3人で昨年4月に同好会としてスタートを切った。保護者の協力も得て、雑草が生い茂る広場を練習場に整備した。

 3人の立ち上げメンバーは人数の問題で練習内容に制限がある中、近くの浜辺でランニングをして体力を強化し、基礎練習で技術を磨いた。マスコミに取り上げてもらえるよう積極的に情報発信し、ビデオやメッセージカードを作って新入部員の勧誘に力を注いだ。

 こうした努力が実り、今年度は新しく県内外から26人が女子野球部に入った。想像を大きく上回る人数だった。

 女子野球部を初めて率いる弓桁監督には、心がけていることがある。まず、選手を下の名前で呼ぶという。

「生徒同士がそうしているから、苗字で呼ぶとみんなピンとこない。チームには同じ名前の子が3人いるが、今は誰の話をしているのか、誰を呼んでいるのか、普段からコミュニケーションを取っているから分かる」

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