甲子園の風BACK NUMBER
「女子野球が広がることで男子野球の仕組みも…」静岡初の女子高校野球部 監督・校長が取り払う先入観と固定観念とは
text by
間淳Jun Aida
photograph byTokai University Shoyo Shizuoka High School
posted2021/05/27 17:00
東海大静岡翔洋高校の女子野球部メンバー
「まずは県内に3、4校、全国に100校を」
現在、1年生の女子生徒は約250人。マネージャー2人を入れると28人の女子野球部が占める割合は10%を超えている。
野球部員たちは来客や先生を見ると、立ち止まって大きな声で挨拶するため「野球部の礼儀や挨拶が他の生徒にも広がっている。スポーツは人間力を鍛えることが最大の目的で、勝敗はその先にある。彼女たちは、スポーツの大切さを体現している」と感心する。
「静岡県内で1校なら全国大会に常に出られるが、それでは女子野球は発展しない。まずは県内に3、4校できて、全国でも100校くらいになってほしい。予選を勝ち上がって、甲子園のような舞台に進んでいったらいいなと思っている」と村上校長は話している。
弓桁監督は「女子高校野球は男子のランクを落としているわけではない。始まったばかりの新しい分野。受け皿をつくって、賛同する人が出てこないと。普及すれば新しい価値観が生まれ、子どもたちの可能性が広がると思っている」と将来を見据える。
社会の縮図と言われることもあるスポーツ。静岡県に初めて誕生した高校女子野球部が社会の構図を変えるきっかけをつくろうとしている。
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