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「クラブを握りたいと思うまで休もう」“鉄の意志”を持つ松山英樹も浸ったマスターズの余韻…本気モードに切り替えて挑む全米プロ 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2021/05/20 17:01

「クラブを握りたいと思うまで休もう」“鉄の意志”を持つ松山英樹も浸ったマスターズの余韻…本気モードに切り替えて挑む全米プロ<Number Web> photograph by Getty Images

今季2戦目のメジャー大会、全米プロに挑む松山英樹

 ゴルフに関しては鉄の意志で厳しく自分に接していた松山も、キャリア最高の目標を達成してついに自賛した。

「今までになかった新たな感情。全力を出し切った、と。クラブを握りたいと思うまで休もう」

 周囲からは、やれメジャー2勝目だ、グランドスラムだ、とさらに期待をかけられ、確かにそれが自分の次のターゲットになることも想像してはいたが、ハートに再び火が付くまでには少し時間がかかることも覚悟していた。

 負けて反省、勝っても反省。学生時代からそうゴルフと、競技と向き合ってきたが、今回ばかりは違った。それがマスターズ、メジャー制覇の余韻だった。

テキサスでは表情が引き締まっていた

 テキサスでの試合では毎日のスタートティで「マスターズチャンピオン」と紹介され、会場で各選手に割り当てられたロッカーの中には毎日、真っ新なフラッグが山積みになっていた。選手や関係者から直筆サインを入れてくれるよう、あらゆる場所でお願いされる優勝者の“宿命”である。

 反面、コースでの練習中はバンカーからウソみたいな“ホームラン”を打ったり、近年の松山の強さの象徴だったチップショットが驚くほど寄らなかったりと、「なまりすぎてヤバい」というコンディションを上げようと必死だった。それでも松山がある意味で予感していた通り、ゲームを進めていくたびにオーガスタであれだけ柔らかかった彼の表情は引き締まっていった。

 テキサスでの最終日を終えた午後、松山はサポートスタッフと一緒にプライベートジェットでサウスカロライナに飛び、翌月曜日からさっそく次なるメジャーの会場をチェックした。

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