松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
高嶋活士が語る競馬と馬術の騎乗の大きな違い…「馬と共にもっと気楽に楽しく」に修造が共感する
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byYuki Suenaga
posted2021/05/30 11:02
競馬の「モンキー乗り」とはまったく違う乗馬フォームに、高嶋選手は当初手こずったという
松岡:奥さんは活士さんのお話を聞いてどう思われました?
なおみさん:性格は真面目で完璧主義です。練習と試合、仕事(2017年よりコカ・コーラ ボトラーズジャパンに勤務)、取材などのタイムスケジュールを自分で管理していますが、コロナ以降、仕事を在宅勤務で行うことも多く、時間的にゆとりができて気持ちに余裕ができ、表情も優しくなりました。
松岡:突然すみません。でも、速攻でお答えになりましたね。
高嶋:普段から言いたいことはいっぱいあると思いますよ。
一同:(笑)
馬術も競馬も「人が3、馬が7」
松岡:少し気持ちを楽にして「ちょうどいい具合」というのを見つけられてから、ケネディの反応は変わりましたか?
高嶋:頑張って乗っていたときはケネディもイライラしてくることが多かったんですけれど、そういうのがほぼ無くなってリラックスして運動できるようになりました。彼にも僕の変化が伝わっているんだと思います。
松岡:「活士、やっと気づいたか」という感じ?
高嶋:そうですね。「お前が一人で頑張ったところで仕方がないんだ。俺がちゃんとやるからいいんだよ」みたいな。馬術も競馬も「人が3、馬が7」といわれていて、人の力量は3割であとは馬にかかっているから、人がリラックスして冷静に指示を出せれば、馬はそれに応えてちゃんと動いてくれるという考え方なんです。今日の練習ではまさにそんな感じでした。あそこまでいい動きをしてくれたことって、今までなかったというぐらいでしたよ。
松岡:照井さんも「今日いいぞ!」って声をかけておられましたもんね。ケネディがいい状態のときって、どんな気持ちになりますか?