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「いつか、傷だらけの背中でウェディングドレスを」 18歳の女子レスラー・鈴季すずが大流血を「嬉しい」と語る理由
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2021/05/12 11:00
ハードコア七番勝負、第4戦。“デスマッチのカリスマ”葛西純とも渡り合った鈴季すず
「いつか、傷だらけの背中でウェディングドレスを」
「批判されるのも、前例がないからだと思うんですよ。こんなことやりたいなんて頭がおかしいって言われます。確かに頭はおかしいです(笑)。でもこの世界、頭おかしいは褒め言葉ですから。
若い女の子は肌を傷つけちゃいけない、可愛くなきゃいけないって決まりはないはずなので。私は額も背中も傷だらけになりたいんですよ。それがカッコいいって思うから。いつか、そのギザギザの背中でウェディングドレスを着るのが夢ですね」
七番勝負の次戦は5月30日の名古屋大会。相手は大日本プロレスのアブドーラ・小林に決まった。すず52kgに対し小林は165kg。それでもすずは得意技のジャーマン・スープレックスで投げると意気込んでいる。
「勝って次の一騎当千は私が出ますよ」
夢を叶えながら、さらに夢が広がっていく。プロレスが楽しくて仕方ない、今が一番、レスラーとして自信があると言う。短期間のハードコア3試合も「次が待ち遠しすぎて」長く感じたそうだ。笑って泣いて、負けると悔しいけれど血を流すのが嬉しくて。鈴季すずは今しかない18歳を、彼女だけのやり方で精いっぱい生きている。
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