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【松山英樹はもらえる?】“超人気者”に8億円超のビッグ・ボーナスが!? 米ゴルフが打ち出した新たな評価軸は「グーグル検索」
posted2021/04/28 17:04
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
マスターズを制した松山英樹が手にした優勝賞金は207万ドル(約2億2700万円)。メジャー4大会を含めた米ツアーは、ビッグマネーが手に入る夢の舞台だ。
その米ツアーには、元々フェデックスカップというポイントレースに基づいてシーズンエンドにビッグ・ボーナスが支払われるシステムがあるのだが、それに加えて今年1月から新たなボーナス作戦が新規に開始されていることが最近になって明かされた。
『プレーヤー・インパクト・プログラム』と名付けられた新ボーナス作戦は、端的に言えば、選手の人気度に応じてボーナスを支給するというものだ。
試合におけるスコアや順位、勝利数といった成績やパフォーマンスではなく、試合以外の「オフ・コース」における自分自身や米ツアー、あるいはゴルフというスポーツを、どれだけ人々の目に触れさせ、人気を高めることに貢献したか。
その人気度と貢献度を数値化してランク付けを行ない、シーズン終了時の上位10名に総額40ミリオンドル(=4000万ドル、約43億2000万円)のボーナスを授けるという。見事1位に輝いた「超人気者」が獲得するボーナスは最高額の8ミリオンドル(=800万ドル、約8億6400万円)となる。
時代を意識した斬新な評価軸
それにしても、人気度や人気向上のための貢献度をどうやってランク付けするのかが気になるが、米ツアーはシステマティックな体制を万全に整えた上で、このプログラムを開始したのだと胸を張っている。
米ツアーによれば、人気度を図るためには10種類の指標が用いられるそうで、その中でも特に興味を引かれるのは「グーグル検索が示す人気度」というものだ。これは米ツアーが世間一般の興味や関心を意識しながらツアー運営を行なおうという姿勢の表れや、時代を意識する姿勢の表れでもあり、とても斬新な試みだ。
さらには、選手の契約先であるスポンサーのブランドをテレビ中継でどれだけ露出させ、どれぐらいブランドの人気を向上させたかを示す「ニールセン・ブランド・エクスポージャー・レーティング」も用いられる。
ソーシャル&デジタル・チャンネルの視聴促進に選手がどれだけ貢献したかを示す「MVPインデックス・レーティング」なるものも利用されるのだが、驚いたことに、この指標はジョーダン・スピースの父親が設立した会社が開発したものだそうで、こんなところにも米ツアーへの秘かなる貢献者が存在しているというあたりがさらに興味深い。