2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
インディアンスM-1敗者復活で“上戸彩もびっくり”1番手、ドタバタ5分間を明かす「水飲む時間すらなかった…」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/04/29 11:01
インディアンスの田渕章裕(左、ボケ担当、35歳)ときむ(右、ツッコミ担当、33歳)
きむ 「3……」と言ったときに、あ、僕らや、と。
――エントリーナンバー3000番台が他にいなかったわけですね。
きむ ゆにばーすも、ぺこぱさんも違ったので。
田渕 僕は百の位で、あっ、俺らやと思いました。
――きむさんは、あのシーンを何度も観返したそうですね。
きむ 敗者復活で上がっていくのって、昔から、カッコええなと思っていたので。ただ、当事者になったら、どう観えてるか、ぜんぜんわからないじゃないですか。なので何回も観て、そのたびに「あっ、これ、俺らや」と確認しました。
「荷物大丈夫ですよね?」置き引き事件のトラウマ
――敗者復活組は、みんなに祝福されながら、あたふたしつつスタジオ入りする感じが何ともいいですものね。
田渕 2019年の敗者復活組は和牛さんでしたけど、憧れがあったんですよね。コロナじゃなかったら、舞台上で芸人仲間に声援を送られ、お客さんの間をハイタッチしながら移動できたんでしょうね。それができなかったのは、ちょっと心残りですけど。
――敗者復活組がスタジオ入りするまでの動線は、ある程度、事前に説明は受けているものなのですか。
田渕 説明は別になかったです。先導してくれる人の後をついていくという感じで。
きむ 荷物は、あらかじめ袋を渡されているので、それに名前を書いて入れておくんです。
田渕 移動しながら、きむが「荷物は持ってきてくれるんですよね?」って何度も確認していました。昔、大阪で、ネタ合わせ中に置き引きに遭うという事件があったんですよ。それ以来、自分の荷物がいつも心配過ぎて……。
きむ ずっと聞いていました。「大丈夫ですよね、なくならないですよね」って。
「もう階段で行きましょう!」「水ありませんか?」
――スタッフとしても急がせ過ぎて、本番で息が上がったらまずいので、そこまで走らせるわけにはいかないんですよね。
きむ いや、それより、尺通りに行かせるほうが大事でしょう。1位通過の発表があってから、ネタやるまで5分ぐらいしかないんですから。
田渕 CM明けには絶対、間に合わさなあかんからって、めちゃくちゃ走らされましたよ。
きむ エレベーターを待っていたら、「もう階段で行きましょう!」みたいな。
――トイレくらいは行けるものなのですか?