酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
もし巨人で投げてたら197勝で名球会直前!? 現役最多173勝・ヤクルト石川雅規の“不運な名投手”データとは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/04/26 11:02
ヤクルトがセ・リーグ制覇した2015年の石川雅規。11度の2ケタ勝利をマークしている小さな大投手だ
古田とバッテリー、vs松井・清原……平成野球史を作った
石川雅規は、秋田商→青山学院大学から2001年のドラフト自由枠でヤクルトに入団した。ドラフト同期の現役選手は、中日の山井大介、西武の中村剛也、栗山巧と巨人の大竹寛だけである。
新人時代には、巨人の工藤公康、桑田真澄、中日の山本昌など一時代前の大投手たちと投げ合っている。清原和博、松井秀喜などとも対戦している。若いころバッテリーを組んでいたのは古田敦也。2005年に交流戦が始まってからは、松中信彦や松井稼頭央などとも対戦している。まさに「平成野球史」を作ってきた投手だ。
身長は167cm、現役では3番目の小兵だ。この体で歴代10位の473先発を記録したのだから恐れ入る。
沖縄県浦添市の春季キャンプで全体練習が終わった昼下がりに、Tシャツ短パンの石川雅規がブルペンで投げ込むのをよく見かけた。小学生みたいないでたちだが、太ももの筋肉はものすごく、鬼気迫るようなブルペンだった。
あと27勝、石川がどこまで迫るかはわからないが、今年1月22日に41歳になった大投手の登板を、目に焼き付けたいと思う。