酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
もし巨人で投げてたら197勝で名球会直前!? 現役最多173勝・ヤクルト石川雅規の“不運な名投手”データとは
posted2021/04/26 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
プロ野球打者の大きな目標とされる「2000本安打」は、西武の栗山巧が4月23日時点であと71本まで迫っている。大きな故障がなければ、今季中に54人目の達成は可能だろう。しかし投手の「200勝」は、非常に厳しい状態だ。
現役NPB投手の最多勝は、ヤクルトの石川雅規の173勝だ。
名球会は日米通算も認めているので、それを加えれば楽天の田中将大が178勝(NPB 100勝/MLB 78勝)、西武の松坂大輔が170勝(NPB 114勝/MLB 56勝)、パドレスのダルビッシュ有が166勝(NPB 93勝/MLB 73勝)だ。田中やダルビッシュが日米通算200勝に到達する可能性は高そうだが、名球会はともかく、NPB記録としては認定されない。
石川雅規には2008年8月4日の巨人戦で中日の山本昌が記録して以来、出ていないNPB25人目の「200勝投手」への期待がかかっている。
ただ、石川はすでに歴史的な投手の1人だと言っていい。
<国鉄、アトムズ、サンケイ、ヤクルト球団の投手勝利数5傑>
金田正一 353勝267敗(1950~1964年)
松岡 弘 191勝190敗(1968~1985年)
石川雅規 173勝172敗(2002~2021年)
村田元一 118勝140敗(1957~1969年)
尾花高夫 112勝135敗(1978~1991年)
石川はスワローズ史上、すでに3位の勝利数を記録しているのだ。
ただ、こうしてみると金田を除く4投手の勝率が良くないことが分かる。ひとことで言えば勝ったり負けたりだ。