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ロッテのドラ1左腕・鈴木昭汰に早くも漂う「大物感」…“何年もプロで飯を食っているかのようなマウンドさばき”ができるワケ
posted2021/04/20 11:03
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph by
KYODO
はやくも大物感が漂い始めている。
千葉ロッテのルーキー・鈴木昭汰のことだ。
3月28日の福岡ソフトバンク戦でプロ初先発してから、4試合に先発して防御率は2.35。二木康太、美馬学といった主戦級投手をおさえて、登板を終えた4月18日時点でチーム内トップを走っている。
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「自分が思っていた力以上のものが、ここまで発揮出来ていると感じています。今までにない経験もたくさん出来ているので、(日々)充実しているように感じます」
投打のかみ合いの問題もあってプロ初勝利こそ、まだない。それでも先発した4試合を全て5イニング以上、2失点以内で抑えているのだから及第点以上の評価だ。先発投手の一員として、しっかりゲームを作れている点を見ても並みの新人ではないことが分かる。
それは防御率以外の数字を見ても明らかだろう。
ここまでの奪三振数はイニング数の23を上回る27個。奪三振率の10.57はリーグトップの日本ハム・伊藤大海(13.26)に及ばないまでもリーグ2位に付けている。千葉ロッテの開幕ローテーションを任された6人(二木、美馬、鈴木昭、小島和哉、岩下大輝、本前郁也)の中で堂々のトップ。
新人離れしたマウンド捌き
鈴木の大物ぶりが窺えるのは数字だけではない。新人離れしたマウンド捌きである。
体感で5キロから10キロ近くは増して見える自慢のストレートは、球速でも150キロを超えることが稀にある。うねりをあげるようにしてキャッチャーミットに吸い込まれるストレートに、スライダーやツーシームといった変化球も交えて、三振の山を築く様は、もう何年もプロの世界で飯を食べているかのようだ。
鈴木が言う。
「(法政)大学時代からスタイルを変えずにやれている、ひとつの証拠かなと感じています。これからも今のスタイルを続けるのは変わらないんですけど、これがずっと続くこともないと思うので、あまり三振数にはこだわらず、一個、一個のアウトを確実に取っていければ良いかなと思っています」