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丸山茂樹が語る松山英樹のマスターズ優勝を決めた1打とは?「表彰式を終えた本人から電話がかかってきて…」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2021/04/15 17:03
マスターズ表彰式後に松山から電話があったという丸山。2人の関係は2013年セガサミーカップから始まったという
首位で迎えた最終日、4打差あるとはいえ、プレッシャーは並大抵ではなかったはずです。だから1番のティーショットがとても大きな比重を持つと思っていました。そうしたら、やっぱりミスが出た。そしてボギースタート。
しかし、その流れの中で2番パー5のティーショットで踏ん張った。フェアウェーをとらえ、なおかつバーディーを奪えたことで、少し落ち着きを取り戻せたのではないでしょうか。
続く3、4、5番というのはこの日の序盤の難所、他の上位勢も苦労して軒並みスコアを落としていたホールです。英樹はそこをすべてパーで切り抜けた。見ている側としては「なんかいけるかな?」と何の根拠もない期待が湧き上がってきました。
後半のアーメンコーナーも紙一重のショットが続きましたが、13番でもグリーン奥からの見事な寄せでバーディーにつなげた。ピンチで自分を救えるアプローチを身につけていたということです。根拠のない自信はさらに膨らみました。「これはいっただろ!」って(笑)。
「英樹も極限の状況で戦っていた」
ただ、その後の展開も一筋縄ではいきませんでした。15番でグリーンをオーバーして池に入れてボギー。どうなることかと思ったら、4連続バーディーで追い上げてきていた同組のザンダー(・シャウフェレ)が16番で池ポチャのトリプルボギー。こんな展開になるのかと、英樹に関してというよりも、1つの試合の展開として衝撃的でした。
18番のティーショットがフェアウェーの真ん中にいったときは「9割5分は勝った」と思いました。それでも2打目で右にプッシュしてバンカーに入れるとは思いませんでしたね。それだけ英樹も極限の状況で戦っていたのだと思います。